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雲は遠くて
61章 美しさや愛を大切にする生き方
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れは、生涯、ロックンローラーでいいんです。あっはは」

「しんちゃん、そうですよね。しんちゃんがそう言うと、高倉健の魅力の謎が、
僕にも理解できたような気がしてきます。美意識なんでしょうかね、健さんの魅力って。
健さんなりに、一生懸命に、美しさについて考え抜いて生きたから、
ああして、男らしくって人間らしくって、カッコいいのかも知れませんよね!」

 松下陽斗(はると)が生ビールをおいしそうに飲みながら、信也にそういった。

「はる(陽)くん、わたし、先日にあったクローズアップ現代の健さんの特集を見たのよ。
その中で、健さんはこんなこと言っていたのよ!
『人を想うってことが、いかに美しいかってことでしょう?!
人間が、人間のことを想うという、これ以上に美しいものはないよね!』って。
健さんのあの言葉を聞いてたら、わたし、感動しちゃって、自然と涙があふれ出ちゃったんですもん!」

 牛肉のトマトの煮込みを食べながら、美樹がそういって、微笑む。

「そうですよね。高倉健さんの生き方には、教えられますよね。
確かに、みんなが、美しいものや、美意識とかを、何よりも1番に大切にして生きることができたなら、
世界中で問題の、宗教による戦争も、貧困の生まれる格差社会も無くなるかも知れませんよね!」

 小川真央の彼氏の野口翼(つばさ)が、隣の真央と目を合わせながら、笑顔でそういった。

「翼さん、いいこと言うなぁ。そうなんだよね。宗教で戦争や争いを起こすなんていうのは、
本当の宗教じゃないと、おれは思うよ。人を幸せにすることこそが、本来の宗教のはずだからね。
そんなんだったら、そんな観念や価値観なんか捨ててしまったほうが、幸福になれると思うよ。
そんな固定観念のような、妄想のようなものとは、さっさと、さよならをして、
芸術を愛したり、人を愛したりして、美しいことや愛についてを真剣に考えたほうがいいんだよ。
まあ、それだから、おれは、ビジネスで、人を愛すること、美しいことを愛することとかを、
世の中に広めようって、思っているんだけどね。そこにビジネス・チャンスもあるわけで。あっはっは」

 竜太郎がそういってわらうと、「竜さん、ステキ!」といったりしながら、みんなは拍手をする。

・・・竜さんの志は、確かにスケールが大きくて、すごいよ。大した男だと尊敬するよ。
ただ、女性関係には、少年みたいなところがあるんだよな。
真央ちゃんのことは、諦められないようだし。でも、真央ちゃんには、翼くんがいるから、
彼女を口説き落とせなかったりしているけど。この点は、おれも人のことあまりいえないけど。
やっぱり、竜さんとおれって、どこか似ているんだろうな!
おれも美樹ちゃんのことが、心の中にあるわけだしね。
それに
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