第六幕その五
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「カルロスって本当に果物好きだから」
「朝昼晩いつも食べたい位だよ」
「おやつにもよね」
「果物は甘くてね」
しかもというのです。
「栄養もあるから」
「だから大好きなのね」
「果物を食べていたら幸せになれるよ」
「カルロスが?」
「いや、皆がだよ」
それこそ誰もがというのです。
「幸せになれるよ」
「果物を食べれば」
「そう、沢山食べればね」
「美味しいものをたっぷり食べるということだから」
「そう、それでね」
だからだというのです。
「果物を沢山食べれば幸せになれるんだよ」
「カルロスって好きな食べものが多いのね」
少しくすりと笑ってです、ドロシーは彼と恵梨香のやり取りを聞いてこうしたことを言いました。
「シェラスコも好きで」
「カレーも好きで」
「果物も好きなのね」
「本当に僕食べることが好きで」
「だからなのね」
「果物も大好きなんです」
「嫌いなものはないのかしら」
「特にないです」
ドロシーに笑顔で答えました。
「何でも好きです」
「それはいいことね」
「ただ、味は美味しいものに限りますけれど」
「オズの国で美味しくないものはあったの?」
「なかったです」
これまでの旅の中で、です。
「一度も」
「それは何よりね」
「はい。ですが」
「ですが?」
「イギリスは違いまして」
ここでカルロスは少し苦笑いになりました、そのうえでの言葉でした。
「あそこは美味しくないです」
「イギリスはなの」
「そうなんです、殆どの食べものが」
「美味しくないのね」
「少なくとも僕の口には合いませんでした」
そのイギリスの料理はというのです。
「ティーセットについても」
「イギリスの定番よね」
「はい、紅茶と」
「紅茶もなの」
「日本やオズの国の方が」
オズの国では紅茶も青や黄色だったりします、お国によって。
「美味しいんです」
「そうなのね」
「何かイギリスのお水がよくなくて」
「それでお茶もなの」
「日本やオズの国で飲む方が」
美味しいことをです、カルロスは強くお話します。
「このこと前にもお話したと思いますけれど」
「そういえばそうだったかしら」
「ミルクティーにしましても」
イギリスではこちらの紅茶です、ですがオズの国はアメリカの影響を受けますので紅茶はレモンティーです。
「こっちの方がいいですね」
「ミルクティーね」
「ドロシーさんはレモンティー派ですよね」
「コーヒーでないとね」
紅茶を飲む時は、というのです。
「そちらよ」
「そうですよね」
「最近ミルクティーも時々飲むけれど」
「そのミルクティーもなんです」
日本やオズの国のものの方が美味しいというのです。
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