第六幕その三
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「ドロシーさんもいるね」
「私のことも知ってるの」
「だから。オズの国ではね」
「私達のことをなの」
「知らない人はいないよ」
だから象も知っているというのです。
「僕にしてもね」
「そうなのね」
「そうだよ。あと僕がどうしてここにいるかだね」
「そう、それはどうしてだい?」
「さっき草をお腹一杯食べたんだ」
象の食べものをというのです。
「他にも野生の果物を一杯ね」
「それでお腹一杯になってなのね」
「眠くなってね」
それで、というのです。
「ここで横になって寝ているんだ」
「そうなのね」
「邪魔になるかな」
象はこうも言いました。
「ここで寝ていたら」
「うん、そうなるね」
その通りだとです、教授は象に答えました。
「君は今道の上に寝ているからね」
「それもそうだね」
「そう、だからね」
それでだというのです。
「寝るのはいいけれど」
「道をどいて」
「そうして寝るといいね」
「わかったよ。それじゃあね」
象も教授の言葉に頷いてでした、そのうえで。
のっそりと起き上がって道からどきました、そしてその横にまた寝転がってそこでなのでした。
寝ようとします、そうしながら教授達に言いました。
「ここでならいいよね」
「うん、道でないとね」
「草原で寝てもね」
「そう、道でないからね」
人の往来する場所でないからだというのです。
「寝ても構わないよ」
「それじゃあね」
「うん。ただ君は」
「僕は?」
「お腹一杯食べたというけれど」
「かなり食べたよ」
象は満足している声で答えました。
「草も果物もね」
「野生の果物をだね」
「この近くに林檎や梨の森があってね」
「そこで食べたのだね」
「お腹一杯ね」
またこう言う象でした。
「満足してるよ、とてもね」
「そうか、それじゃあ」
教授はここまで聞いて言いました。
「我々もそこに行って」
「そうしてですね」
カルロスが教授に応えます。
「僕達も林檎や梨を食べるんですね」
「そうしよう、果物をお昼御飯のデザートにしよう」
「テーブル掛けは今も持って来てるわよ」
ドロシーはこれを忘れていませんでした。
「だからこれでお昼御飯を出してね」
「デザートをですね」
「そう、林檎や梨にしましょう」
「わかりました、それじゃあ」
カルロスも他の子達も教授達の言葉に頷いてでした、そうして教授は象にあらためてその森の場所を尋ねました。
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