暁 〜小説投稿サイト〜
闇を祓う者〜魔法少女と内なる力の使い手〜
無印
三人娘
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。俺はこの段階からStS編の生真面目さが生まれるとは到底信じられない。
 一応、シリーズ構成は覚えている。なのはが初めて魔法に出会い、魔法少女になる『無印編』。闇の書と呼ばれる魔道書が全てのきっかけとなった『A´s編』、通称『闇の書編』。そして、なのはが時空管理局の職員となった『StrikerS編』。なのはがフェレットを飼っているという話も聞かないからまだ原作は始まっていないのだろう。二人でバス停まで歩いていく。

「ふわぁ〜」
「あくびするなら、手を使えよ」
「彼方くんだからいいかなぁって」
「え、なにそれ。俺もしかして男として見られてない? それとも今の告白?」
「もう! 何言ってるの!」

 なんて話ながらバスを待つ。バスに乗り込むと、

「なのはちゃーん、彼方くーん!」
「こっちよ、こっち!」

 金と紫の髪の二人の少女に呼ばれる。言わずもがな、アリサとすずかだ。

「おはよう、アリサちゃん、すずかちゃん」
「うぃーす」
「彼方、今日はどうだったの?」
「聞いて驚け、なのはが自力で起きた」
「え!? 嘘!?」
「なのはちゃんすごーい!」
「もう! アリサちゃんもすずかちゃんもひどい!」


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「将来の夢……かぁ」

 昼休みだ。え、授業はどうしたって? 小学生の授業を見て一体何が楽しいというんだ? というか、わざわざ説明するのもめんどくさいわ。

「アリサちゃんとすずかちゃんはもう結構決まってるんだっけ?」
「うん。と言っても、家はお父さんもお母さんも会社経営だから、いっぱい勉強してちゃんと後を継がなきゃぐらいだけどね」
「私は機械系が好きだから、工学系で専門職に就きたいなぁって思ってるけど」
「そっかぁ、二人ともすごいよねぇ。もう将来のことちゃんと考えてるんだもん」

 いやまったくだ。だってまだ小学生だぞ? 普通将来のことなんて中3の高校受験のときにぼんやりと方向性を決めて、大学受験で本決めってもんだろうよ。
 今日の弁当のコンセプトは中華だ。エビチリが美味しすぎる。モグモグ。

「え、でもなのはは『喫茶 翠屋』の2代目じゃないの?」
「うんまあそれも、将来のヴィジョンの一つではあるんだけど……」

 へえ。でも、桃子さんのあのショートケーキの味を受け継ぐのは大変だぞ。モグモグ。青椒肉絲(チンジャオロースー)も素晴らしいな。

「やりたいことが何かあるような気はするんだけど……。彼方くんは」
「んぐ?」
「彼方くんは何か将来の夢はあるの?」

 まさか俺にまで水が向けられるとは。本当のことは言えないなぁ、平和な将来は望めないだろうし。

「そうだな
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