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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
戦場の少女達
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ではなかったようだ。どう考えても許容量オーバーな気配がする機関銃(マシンガン)には触る気がしなかったが。

―――だけど、この重さは厄介だな……。

目を細めて照門(リアサイト)を覗き込むが、手に食い込む重さは他でもない《本物》を伝えてくる。

弾倉を合わせたらかなりの重量になることが予想される。振り回されなければいいのだが。

ユウキはというと、こちらはレンと違ってさほど重量感に頭を悩まされる心配もないので、拝借した銃器を床に並べて「どれにしようかな〜」などと呟いていた。いや、別に過度な緊張感は身体を硬くさせるだけなのだからいいのだけれど、それにしたって限度があるだろう。

「ユウキねーちゃん、選ぶのはいいけど早くしてよ。応援が来ちゃうって」

はぁい、という間延びした声を受けながら、レンは周囲を見渡す。

先刻までいた船医室からは戦闘中になし崩し的に移動せざるを得なくなり、今現在二人がいるのはだだっ広いエレベーターホールになっている。せっかくの一面大理石は、数限りない弾痕によって見るも無残な姿となっていた。

今二人がいるのは、先刻パーティーが開かれていた第八階層から一階下がり、第七層である。第八階層がパーティー会場やカジノがある、アミューズメントを前面に押し出したものならば、今いる第七階層から第五階層までは客室となっている。そのため無駄に装飾されていた第八階層と比べ、ここの内装は穏やかでいくぶん上品な感じに設えられている気がする。

エレベーターの階数表示に真剣な眼差しを向ける少年に、別にどれでも撃てたらそんなに違いないよねというガンマニアに激怒されそうな結論に達した少女が近づいた。

「どうしたの?レン」

「ん〜、これからどーしよっかなって。ユウキねーちゃんは何か思いつく?」

えっとね、とおとがいに指を這わせ、少女は宵闇を思わせる瞳を階数表示(デジタルではなく時計のように針で指し示すタイプ)を見つめた。

「こういうのってテンプレ的には、一番偉い人ってどこにいると思う?」

「そりゃあ…………上?」

ユウキは大きく首肯し、人差し指を伸ばした。

「うん、だよね。ボクもそう思うよ。色々考えたんだけど、やっぱりネックなのはこのクエのクリア条件が分からない事にはどうしようもないんだよね。だから、とりあえずアタマを潰そうと思ったんだけど………どう、かな?」

「ん、いいんじゃない?まぁ、トップ潰されてヤケクソっていう展開にならないとも限らないけど……」

「不吉なこと言わないでよ〜」

苦笑の色を口元に色濃く示しながら、ユウキはエレベータ脇にある三角ボタンをポチッと押した。どうやら後ろに倒れている男達はこのエレベータを使ってこの階層に来たらしく、ノータイムで扉が開いた。


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