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藤村士郎が征く
第16話 東西交流戦最終夜 前篇 逆転ムードからの、まさかの本陣強襲!?
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などと、今更かつ野暮ったい事を思った士郎だった。

 そうして次々と手練れとぶつけられて、削られていく西方十勇士のメンバーたち。

 因みに、ジャンヌが強いと知っている(真の実力を知る者は現時点では皆無)人数も少なく、自然と救護傭員に回されたのだった。
 彼女自身も、必要に迫られたら逃げる気は無いであろうが、百代の様な戦闘狂(バトルジャンキー)では無い為、ジャンヌ自身もその役割に反対しなかった。

 「なかなかの奮戦ぶりですね。もう残り二人なので行ってきます。若」
 「ああ、気を付けてな」

 その言葉を後に、雫は出撃した。

 (それにしても、如何して長宗我部と鉢屋は気を使わなかったんだ?使っていれば炎も効かなかっただろうし、あずみさんの拘束も何とか抜け出せただろうに)

 これで西方十勇士が全滅となれば、彼らの敗因は単なる油断と高慢であろう。

 終わったらそれを指摘しに行こうかと考えながら、士郎は未だ続く交流戦を眺めていた。


 −Interlude−


 九鬼英雄を大将とする川神学園サイドの本陣では、東西交流戦最終夜も佳境に入っているであろうムードに包まれていた。

 「ヒュホホホ♪最初は確かに押されはしたが、わらわたちが本気を出せば、ご覧の通りじゃのう」
 「勝負は下駄をはくまで分からないといいますが、これはもう決まりでしょうね」

 余裕の笑みを零す不死川心の言葉に、冬馬は同意する。

 2−Fと2−Sの手練れメンバーも相手をあらかた片付けたので集合しているし、逆転の一手を決めるため大将である英雄を狙うも、現在の本陣メンバーの皆から袋叩きになることは目に見えている。
 そんな馬鹿な事をする奴など居ないであろうと、寛ぎ切っていた。

 更には、優秀な後衛メンバー(筆頭はジャンヌ)のおかげで、負傷兵たちもかなり戦線復帰できていた。

 だが、こんなムードを破壊できるであろう切り札を、天神館側は即座に投入したのだった。

 2年生手練れその他A「敵襲!!」

 そんな言葉と共に、索敵犯である彼の周りには衝撃による煙が舞い上がらつつ、ものすごい音も響き渡った。

 「この状況で敵襲とはどんな馬鹿だよ?」
 「そうだねー。一体誰だろうねー?」

 しかし、あまりに寛ぎ過ぎて彼らは気づいていなかった。此処に来たのは、身震いするほど恐ろしい化け物が進撃してきた事に。

 その他A「がふっ」
 その他B・C・D・E・F・G「がほっ!?」

 その言葉と共に彼らは意識を手放した。
 そんな呻き声を耳に入れたからか、主力である手練れメンバーたちもようやく煙の方に目を向けた。
 そして――――。

 煙や晴れていき現れたのは、全身黒づくめの甲冑に身を包んだ黒騎
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