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横浜事変-the mixing black&white-
田村要は自分の結論を汚れた世界に導き出した
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自分と自分の周りにいる人間の世界を守るために。
***
バンが無茶苦茶な急カーブで再びこちらに迫ってくる。さすがの要も車相手に身体を張れる程強靭な肉体はしていない。ここは一旦物陰に隠れようと足を動かしたのだが、周りの殺し屋が取った行動を見て、自分はまだまだだと反省した。
ここにいる殺し屋は裂綿隊の仲間ではあるが、考えようによっては『バンを潰す』と考えた個人が集まった集団とも言える。何故なら彼らは本来、個人営業の殺し屋だからだ。
『バンを潰す』という名目で他の殺し屋と行動を共にしている要。彼は目の前で二人組になって試作型対物用バスーカを構えている殺し屋達を注視していた。
「それ、どこから持ってきたんだ」
そう聞くと二人組のうち台になっている方が答えた。
「伊都木会。あいつらが外国の会社から引き取った試作タイプだってよ。何が起こるか分かんねえけど」
「そんなもん使うなよ……」
――お前ら大人だろうが。後始末は殺し屋統括情報局に任せるっつっても、これはさすがにニュースになる。
言葉には出さず、要が心の奥底で非難の言葉を呟いた。殺し屋統括情報局が一部の警察と癒着があるのはすでに既知の情報だ。この殺し合いも組織の警察によって塗り潰されるのだろうが、それでも武器の規模が大きすぎる。
しかし学生である自分が何を言っても無駄なのは承知済みだ。要は二人組から少し幅を開けて、その行末を見守る。数秒後、バスーカ砲が火を噴き、標的となったバンの方から爆発が聞こえてきた。
「あれ、威力低いな。おい、生き残ってんぞ」
「田村、手前働けや!」
「……」
答えるのも億劫になりながらも、再び彼らの方へと足を向ける。バンを見てみると、エンジン部を狙った結果さらに当たり所か悪かったのか、奇跡的に中が無事だった。とはいえ、あのバンに乗る事はもう出来まい。
「アンタらガラスにぶち込めよ。どんだけ下手くそなんだか」
「うっせえ!手前一人でやってみろよ!」
「ガキが知ってる口聞いてんじゃねえ。今は仕事しろ」
――俺もバカだよな。言っても無駄だって分かってんのにさ。
一人心中で愚痴りながら、敵に向かって銃を撃つ要。射撃技術はあまり芳しくないので、当たるとは思っていない。それを一度でも口に出したら他の殺し屋にバカにされそうだが。
そんな事を考えていると敵が建物に隠れた。近くには爆発したバンがある。だとすれば、彼らの行先は建物の反対側しかない。
要達は180度方向を変えて走り出した。建物を挟んだ敵とのレース。どちらが先に反対側に辿り着けるか。
徒競走でゴールするような形で建物の先から身体を出す。すると少し先には殺し屋統括情報局の殺し屋
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