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【ネタ】 戦記風伝説のプリンセスバトル (伝説のオウガバトル)
22 封印
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とプレートメイルとバトルブーツをつけたサイノスにはルーンアックスを渡して前線指揮を丸投げする予定。
 一方、伯爵の衣とシプレの杖のみのアーウィンドはぽちを含めたドラゴン達の砲撃担当をお願いする事になっている。

「それにしても、寡兵でよく戦えますな」

 人質代わりに単身やってきたジュルクに私は苦笑する。
 私だって好き好んで寡兵で戦い続けたいわけではない。

「そうだ。
 こんなものがあるのだけど?」

 ジュルクに薄汚れた杖を手渡す。
 さすがに魔道を極めようとした身だけに、その杖の価値に気づいて体が震える。

「こ、これは……」

「そう。
 死者の杖。
 魔道を極めてその先に行きたいのならば必須の技術の結晶。
 あげるわよ」

 ジュルクは両手でその杖を握ったまま長い間佇み、目からは涙が出ていた。
 嬉しいのだろうなとじっと見つめていたら、その杖を私に返してきた。

「この身にはもはや必要の無いものでしょう。
 ふさわしい方にお渡しになるがよろしいかと」

「使わないの?」

 返された杖を持って私が念を押すと、彼は年相応の顔で笑った。
 両手は開かれたままその手の開きが全てを物語っているのに。

「若かりし頃ならば躊躇う事無く使っていたでしょう。
 ホーライ王国が滅び、多くの仲間が消えていきました。
 その原因が魔道によるものなのはご存知か?」

 私は首を縦に振った。
 ああ。
 この人は身の程を知ったのだ。
 だからこそ、それを超える力を拒んだのか。

「エリー様。
 貴方もお気をつけくだされ。
 我らは正義を行うつもりでも、その力は魔導師ラシュディと同じ力を使っているという事を忘れないでくだされ。
 私はまだ覚えております。
 かの魔術師が、賢者として名を轟かせていた事を」

 この人は手放したらいけない人だ。
 そして、オミクロンとは違ってきっと人として魔道を極めるのだろう。
 オミクロンの資料の管理は彼に任せようと心に決めた。
 そして、彼を新生ゼノビア王国の要人として陛下に紹介する事も。



「 わしの城をよくも落としてくれたな……。
  この償いは、おまえたちの身体ではらってもらうとしようか」

 死霊術師のオミクロンが戻ってきてのカンダハル防衛戦は、彼が率いる暗黒の者達の力がもっとも発揮できる深夜からはじめられた。
 攻めてくる兵力はおよそ5000。
 よほど慌てたのだろう。彼の狼狽振りがわかろうというもの。
 この兵力差五倍の猛攻にカンダハルは耐えた。
 ご丁寧にカンダハルの外周に城壁を作って防御力をあげていた事と、こちらが神聖属性持ちのハメ編制で待ち構えていたからである。

「北海に住む竜王よ。汝の氷
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