決意
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「あれ?豪炎寺どこいったんだろうな」
俺がそう呟くと円堂が周りを見渡しながら話す。
「この試合勝てたのは豪炎寺のお陰だ、せめてお礼をしたいな」
「よし、とにかく探して見るか!」
学校内はくまなく探したが見当たらなかった。
「豪炎寺のやつ、外に出たのかな?」
俺は「そうかもな」と返事を返し、着替えてから
外の捜索を開始した。
その間、円堂から豪炎寺の事を聞いた。
俺は豪炎寺とは全く喋ってなかったからな…。
豪炎寺は元の学校でサッカーをしていた事。
不良に絡まれたとき助けてくれたこと。
サッカーを何故か遠ざけていること。
円堂はいろいろ説明してくれた。
「そうだったのか」俺は知らず知らず呟く。
そういえば帝国の鬼道が言ってたな……。
元木戸川中の炎の天才ストライカー、豪炎寺 修也って。
だけど、何故そんな有名な選手が雷門中に来て、
サッカーをやらないんだろう。
俺の脳裏でそんな事がクルクル回っていた時だった。
俺達が信号で止まっていると、反対の歩道に豪炎寺の姿があった。
豪炎寺はそのまま門を曲がったようだ。
俺達は信号が青になるのを確認して
豪炎寺を追いかけ走った。
しかし、豪炎寺を追いかけて来た場所は病院だった。
もしかしたら、今日の試合で怪我でもしたのだろうか
それとも豪炎寺は持病を抱えていた?
と頭で考えていると、円堂が「入ろうぜ」と歩き出す。
俺達はそのまま病院の中へ向かった。
「「どこいった?」」俺と円堂が呟く。
見事にハモってしまった。俺達は豪炎寺を見失ったようだ。
俺達が諦めて帰ろうとした時、円堂の目の前で
病室の扉が開いた。そこから出てきたのは豪炎寺だった。
「あっ、ご、豪炎寺奇遇だなぁ…」
円堂がいかにも付いて来ましたみたいな下手な言い訳をしてる。
「お前ら付いてきてたのか…」
「豪炎寺怪我でもしたのか?病院なんかに寄って」
俺は単刀直入に聞いた。
豪炎寺はしばらく考えて話した。
「いつかは教えなきゃなと思っていた」
と一度言葉を切った後「入ってくれ」と言葉を続けた。
「失礼します」
と言った俺達は眠っている少女の姿を見た。
「気持ちよさそうに寝てるな」
と俺が豪炎寺に話しかけると少し悲しそうな顔になる。
「もう一年間も目を覚ましていない」
俺達は言葉が出なかった。豪炎寺は言葉を続ける。
「夕香はサッカーが大好きだった、その日も俺にシュートを決めなきゃ駄目だよ、って言っていた、だけどその日夕香は俺の試合を見にくる最中に車との事故に合ってしまった、俺がサッカーをやってなければ夕香がこんな事になることはなかったんだ」
更に豪炎寺は言葉を続ける。
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