MR編
百三十七話 大乱闘
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が、だからこそ確実に有効なカウンターである。
その隙を逃さず突き込んだ刃が、鎧の首元の隙間部分に吸い込まれるように突き込まれ、内側で朱いポリゴンが散る。とは言え、このままで居ればすぐに他の連中か彼自身から反撃を受けるのは自明。クラインは即座にカタナを軽く捻ると、そのまま首を両断するように横一線に切り裂いた。
『にしても、アスナが居るとは言え、ギルド一つパーティも一つでボス攻略とは、無茶しようって連中だなぁ。SAOなら先ずありえねぇよ……』
苦笑しながらそんな事を考えつつ、半回転。男に背を向けると、クラインは即座にカタナを逆手持ちにして、反撃の為にポールアックスを振りあげた男の方へ一歩踏み込む。
『あぁ、でもやったっけなぁ、レイド組んでやるとこのボスを馬鹿ばっか集まって1パーティで。何回死んだっけなぁ?俺』
あれをしたのは大学、いや高校時代だっただろうか?あの頃から相も変わらずゲーム三昧の自分には呆れるが、おかしなゲームに巻き込まれたせいで大分貴重な体験をさせてもらった。二度としたいとは思わないが、そう言う馬鹿をやる事の面白さ、出来る事のありがたさ、其れが改めて理解出来たのは、あのゲームの中に居たせいもあるのだろう。
『ヒョウセツちゃんは戻らねーでも終わりだな。とすっと……』
そろそろ多少無茶でも終わるか。
経験から来る直感でそう結論付けて、クラインは一気に後方に向けてカタナを突き込む。と、即座に引き抜き、アックス使いが怯んだ所で、更に正面に向き直る。他のメンバーは味方に密着しているクラインに手を出す事は出来ない。ソードスキル……
「へっへへ、悪いねぇ」
「く、そっ!」
刀身が光り輝くと同時、クラインの身体が掻き消えるように加速し彼の後方に現れ、次の瞬間、空間が断たれたように、アックス使いの上半身と下半身が“ズレた”。
カタナ 居合い単発技 居合《火閃一刀》
──さぁ、今日も……──
チンッ、と音を立てて納刀した瞬間、斬り口は燃え上がり、焔の向こうへ蒼い巨体が消えた。
──ゲームを楽しむとしよう──
────
「レーレス、リンデ……」
「うっ、くそっ……!」
「あぁっ……!」
投げつけたダガーが正確に相手の鎧の隙間を貫き、塗りこまれた毒が相手の身体の自由を奪う。後ろから足音を感じて振り向く
盾を持ったプレイヤーが突っ込んで来る。さらに後ろから切りかかって来るカタナ使い。
「ヴォルト・ライ……!」
「うわっ!?」
「!?」
後方からの袈裟掛け切りを低空のバック宙で躱し、そのままカタナ使いの両肩に脚を乗せてけっ飛ばし着地。そのまま……
「ヴァンクル!」
即座に収縮した文字たちが雷の細い槍を無数に形成し、それらが相手に向けて殺到する。
雷
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