第65話 蚊だって生きている
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を切り合う銀時と土方。
だが、側から見ると互いに怖いのを誤魔化し合ってるようにしか見えないのだから哀れと言えば哀れだったりする。
「ふっ、とんだ哀れな光景だな。怖いのを必至に誤魔化してるようにしか私には見えないぞ」
「あんだぁてめぇ、一人だけ傍観者気取りしてるみてぇだけどよぉ。実際は早くこっちに混ざりたいんじゃねぇのか?」
「貴様、騎士である私を愚弄する気か?」
「あぁん? 騎士だぁ? 此処は江戸だぜ。江戸じゃ騎士じゃなくて武士なんだよ。そんなに騎士やりたいんだったらベルばら全巻読破してから来いや」
「何故騎士とベルばらが関係するんだ!?」
「ったりめぇだろうが! 騎士=ベルばら。これ常識だよ。常識……あ、そうか! お宅上京したてだから江戸の常識分からないんだっけ。こりゃ失礼。ごめんねごめんね〜」
明らかに喧嘩を吹っ掛けるような銀時の言動にシグナムの眉間に亀裂が走る。
普段は冷静を装っているが根っこは少々短気なようだ。
突然銀時の前に歩み出てその胸倉を掴みあげだす。
表情からして相当ご立腹なのが伺えた。
「貴様、今日と言う今日は許せん! 度重なる侮辱の数々。この場で手打ちにしてやる!」
「おいおい、止めてくんない? こっちは善良な一般ピーポゥですよぉ。それとも何? 真選組ってのは気分次第で一般市民を苛めるんですかい?」
「貴様の発言は警官侮辱罪に相当する立派な犯罪だ! 手打ちが嫌なら今すぐ豚箱へ搬送するぞ! それとも出荷の方が良いか?」
「おい! 人の事家畜みたいに言ってんじゃねぇよ! 俺ぁどっからどうみてもジャンプ人気の主人公だろうが! そこんとこ察しろやボケがぁ!」
忽ち三人揃って激しい口論が勃発しだした。
余りに騒々しく、それでいてかつ、哀れにしか見えなかった。
まるで仲の悪い犬と猿に更に雉を加えたような光景であった。
最初はお互いにけん制し合うかの様な喧しい口論だけであったが、やがて互いに理性と言う名のダムが決壊し、遂にはお互い胸倉をつかみ合ってのいがみ合いにまでなってしまっていた。
今にも全力で殴り合いをしそうな勢いにまで発展していた。
その証拠に三人の開いていた手が硬く握りしめられてプルプルと震えているのが見えた。
「大体てめぇら脇役の分際で出番多すぎなんだよ! 幾ら使いやすいからって出過ぎなんじゃねぇの? そろそろ自重しないと本気で削除されっぞ!」
「何抜かしてんだ! それを言うならてめぇだって同じだろうが! 幾ら主人公だからって何やっても許されるなんて思ってるんじゃねぇのか? てめぇの方こそ自重しねぇとこの小説自体運営から削除される事になるんだぞ! お前、そうなった時の責任とれんのか?」
「馬鹿かてめぇは! そうならねぇ為にこうして主人公である俺が好き勝
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