第七楽章 コープス・ホープ
7-4小節
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どうやってここを突き止められたかなんて、今はどうでもいい。わたくしたちを救ったのは、ハーフ骸殻に変身なさってるユリウス室長だった。《さっすが室長。オイシイとこ持ってくねえ》 《信じてました、室長!》 喜んでる暇はなくてよ、《レコードホルダー》。
「せんぱい!」
ポインセチアのレリーフの時計を投げる。ユリウス室長はそれを器用にキャッチなさって。
「ぐっ……うおおおおおっ!!」
スリークォーター骸殻に変身されたユリウス室長が、クロノスの攻撃を横に弾かれた。黒球がぶつかった場所に穴が開いた。
室長がルドガーの腕を掴んで引っ張って行って、穴に飛び込まれた。
「皆さん、あそこへ!」
「説明くらいしろっつーの――!」
まずMr.スヴェントがエルちゃんを抱えて一番に穴に飛び込まれた。続いてローエン閣下とエリーゼちゃん。Dr.マティスとミス・ロランドが猫さんを抱えて。
最後にわたくしも穴に飛び込みました。クロノスを顧みずに。顧みては捕まると、エージェントとしての経験が告げていたから。
…………
……
…
骸殻を使わない初めての次元跳躍は、はっきり一言。
気持ち悪い。
リドウ先生の言葉を借りるなら、脳みそがシェイクされたみたい。二日酔いでもあんなに酷い気分にはなりませんわよ。
けれどこれでリーゼ・マクシアに渡れました。《道標》を回収できます。わたくしはそうしやすいようにルドガーをフォローしましょう。
Dr.マティスが、麓にある精霊信仰の村へ行こうと提案なさいました。村の名はニ・アケリア。エルちゃんたちと合流できる、できなくても情報があるかもしれないからと。
その方針に従って、わたくしたちは社を降りて現在山歩きを敢行中です。
「それにしても、アスコルドでジゼルさんがアスカに礼拝したのには驚きました」
う。思い出させないでほしかったですわ、エリーゼちゃん。
『本物の巫子みたいに奇麗なお礼だったね〜』「精霊信仰の人みたいでした。エレンピオスの人なのにスゴイですね」
「あの、お褒め頂いたのに申し訳ないのですが……あれも《レコード》によるものなんです」
「『あ』」
「ご、ごめんなさい。わたしが無神経でした……」『ごめんなさぁい……』
「気にしておりませんわ。お気遣いありがとうございます」
巫子みたい、というのもあながち間違ってはいないのよね。あの《レコードホルダー》はまさに大精霊アスカの巫子ですから。
エレンピオス人が巫子? と、わたくしも昔は思いましたわ。でも、遠い遠い昔には、まだエレンピオス人にも霊力野はあったと理科で習いましたし、すぐ辻褄は合いました。
まだ大精霊と人とが共栄していた時
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