第12話〜翡翠の公都〜
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にかく荷物を置くか」
「ちょ、みんなしていきなり何なんだよ!?・・・おい、待てくれって!おい!!」
ユーシスを筆頭にマキアス、リィン、エマもそれに続いてさっさとホテルの中に入ってしまった。
「いきなりどうしたって言うんだ?」
「さ、さぁ?とにかく私たちも行かない?」
「?・・・まぁ、そうだな」
全員の態度の変化に納得できずにいるケインだが、ファミィに渋々着いていくことにした。
入ったホテルの二階にて男子組、女子組がそれぞれの部屋にて荷物を置いた後、男子部屋にて合流した一同は実習課題を確認する。課題は手配魔獣の退治、半貴石の調達にバスソルトの調達と書いてあった。必須のものはバスソルト以外だが、形式は前回の実習と変わりないようだ。手配魔獣がいるオーロックス峡谷道は長くそれなりの広さがあると言うユーシスの意見により、そちらは後回しにする判断をした。まずは必須の一つ、半貴石の調達依頼を達成するためにホテルを出て宝飾店へ行くことにする。
「・・・綺麗な街並みだな。流石、翡翠の公都ってところか」
「うん、まあね。でも、結局あの像って何なの?」
「聖女ヴェロニカの像、みたいですね」
「ほう、詳しいな」
ここが故郷であるファミィすら知らなかった中央広場の中心に位置する女型の像についてエマが答えると、ユーシスが感嘆の声を漏らした。率直なケインの言葉に、各々が改めて今回訪れた実習地を眺める。クロイツェン州の中心都市、バリアハート。翡翠の公都と称されるこの街は、周辺の丘陵地帯では毛皮が多く生息し、領内の鉱山からは宝石細工用の良質な鉱石が取れる上、南にはそれを加工するための職人通りがある。資源が豊富でなおかつ加工技術の高い職人がいる好条件から、街の特産品として毛皮や宝石は著名だ。しかし、職人通りや領邦軍が門を構える貴族街に大聖堂のある中央広場、飛行客船のための空港全てが公爵家を中心にした貴族社会の産物であるというのはユーシスの談である。
中央広場をひとしきり眺めた後、一同は南へ下って職人通りにある宝飾店、ターナーへと向かった。
店に入ると店長と思しき人物と若い青年が話していた。どうやら先客が来ていたようだ。
一同はそう判断して時間を改めようとしたが、来訪者に気づいた店長が話しかけてくる。
「その制服は・・・ファミィちゃん、それにユーシス様も。
ようこそ、いらっしゃいました。実習の依頼の件でご来店ですね」
「お久しぶりです、ブルックさん!」
「そうだが・・・特別扱いしないでくれ。取り込み中なら改めるが?」
ユーシスの言葉を聞き、いえいえとそれををやんわり否定するブルック。いわく、ユーシスたちの事を話していたとのこと。続いて、ブルックは今回の依頼内容について順を追って説明してくれる
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