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日向の兎
1部
17話
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私はミズキを一旦見逃して、ナルトに放たれた風魔手裏剣に狙いを定め枝を放つ。
枝の性質上鉄のような硬い物質は砕くことになり、その破片が飛び散り少々怪我をしてしまうかもしれないが、その辺りは許して欲しい。
私の枝が手裏剣に届く寸前にイルカがナルトに庇うように覆いかぶさったので、イルカの背中に細かい切り傷が出来たがナルトは無事だった。
……ふむ、身を呈して生徒を守るというの敬意を払うに値するぞ、イルカ先生。
再び、ミズキを捕捉しようとそちらの方に意識を向けると妙な光景が見えた。どうやら暗部連中がミズキを捕らえたようだが……木でできた牢屋のような物で捕まっているのだ。
何かしらの忍術なんだろうが木を操るなど……木遁だとでも言うのか?
確かに九尾を抑え込むのにこれ程最適な人材はいないだろうが、流石に木遁使いがいるなど想像できるものか。
そんな事を考えていると、後ろに暗部の一人が現れた。
慌てて距離を取り、役に立つとは思えないが咄嗟に両手に枝を構える。すると暗部は敵意は無いと言うかのように両手を挙げた。
「危害を加える気はないよ」
「……では、何の用だ?」
「いやいや、少しお礼をね。片腕を使えなくしれくれたお陰で捕まえるのに手間がかからずに助かったよ」
「ふん、初代だけの木遁を使えるような得体の知れない忍者に言われても全く説得力がないぞ」
「へぇ……君、日向の娘かい?」
「元が付くがな」
「ああ、なるほど。ガイさんから聞いていたけど、君が日向ヒジリだね?」
「先生の知り合いか……」
「正確にはガイさんの知り合いの知り合いっていうのが正しいんだけどね」
「そんな事はどうでもいい、結局私に何の用なんだ?」
「まぁ、大したことじゃ無いんだけど、さっきまで見ていた事は他言無用で頼むっていうことと、僕達の事も他言無用で頼むっていうことを頼みに来ただけだよ」
「……初めからそのつもりだ」
「それは助かるよ。僕も君みたいな少女をどうにかするのは気分のいい物ではないからね。じゃ」
暗部の男はそれだけ言うと私の前から去って行った。
…………ふぅ、流石に厳しかったな。男が去ってから、我慢した震えが止まらなくなった。
力量差に関して検討もつかない相手と、返答一つで敵対する会話をするというのは精神衛生上良くないな。
ナルトがイルカ先生に影分身を披露し、先生から直接額当てを受け取るのを確認してからようやく震えの収まった体を動かして私も帰路についた。
…………帰ったら長めの風呂にでも入ってから寝るとしよう。

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