第15話 子は親の背を見て育つもの!? しかし、女誑しは遺伝するモノなのか??
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さ」
「だって、・・シロが・・私の事・・モモって・・呼んで・・くれな・・いから」
泣きじゃくる、と言うほどでは無いにせよ、自分の胸に顔を埋めてすすり泣く百代に対してでは無く、そんな風に泣かせた自分に空を見上げながら溜息をつく士郎。
(わかっていた事だが、我ながらまだまだだなぁ)
「・・・・・わかった。これからは・・ちゃんと、モモと呼び直すよ―――――いや、させてくれ。こんな辛い思いをさせてごめんな、モモ」
左手で抱き寄せる様に背中をさすりつつ、右手で頭を優しく愛おしそうに撫でる士郎。
傍から見れば、如何見ても恋人同士にしか見えなかった。
事実、途中から泣き止んでいた百代は、士郎に撫でられるのが気持ちよかったのか、瞼を閉じつつ幸せな表情をしていた。
そうして、百代が泣き止んだのを見計らいつつも、暫くしてから百代と離れる士郎。
百代は若干不服と言うか、名残惜しそうだったが。
「こうして再会できたところ悪いが、俺自身もこれから用があるんでな。ここでお別れだ」
「・・わかった。けど、さっき言った事・・ホントに何時でもきていいのか?」
「それ自体は構わないさ、ただもう一度言う様に俺自身の仕事とかもあるから、必ずいる訳じゃ無いからな。そこは了承してもらうぞ?」
それを分かってるさと言う、返事で返す百代。
「そんな名残惜しそうにしなくても、一生の別れじゃないいんだから」
「・・・わかっているさ。それでも寂しくなるのが美少女ってもんじゃないか」
「美少女は関係ないだろ・・」
相変わらず、自他共にであろうとも、セリフの中に自信を美少女と呼ぶ百代に呆れる士郎。
「それにどうせ、明日にはまた会う事に成るだろうしな(ボソッ)」
「ん?なんか言ったか?シロ」
「何でもない、兎も角、またなモモ!」
「ッ!・・ああ!またな、シロ!」
こうして二人の8年間にも及ぶ誤解は解けたのだった。
しかし、たまたまとはいえ、その二人の光景を終始見ていた人物が居た。
それは、藤村組の総組長、藤村切嗣だった。
(士郎・・。全くお前ときたら、ジャンヌ君や雫がいるにも拘らず、また女の子に必要以上に優しくし過ぎだ。あれで気を持つなと言う方が無理だろうに・・・。しかもお相手は百代ちゃんじゃないか)
と、心の中で呆れる切嗣。
しかし、この男も人の事は言えない。
現にこの男も、若いころは世界中で女性たちを無意識に落としまくり、今でも彼を狙う女性が多くいて、そのことについて妻であるアイリスフィールから怒られているのだから。
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