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あかつきの少女たち Marionetta in Aurora.
02
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「ごめんなさい……その……」

 モモは目尻に涙を浮かべる。

「その……私、生け捕りの仕方を知らなくて……」

「……………………。そうか」

 蔵馬は。
 そっとモモの頭を撫でた。
 引き金を引き、人を殴った手で、今度はモモの頭を撫でる。
 何故そうしたのかは、蔵馬自身にも分からない。
 叱咤の代わりの、予想外の蔵馬の手。きょとんと眼を丸めるモモ。

「今度、生け捕りの仕方を教えてやる」

「……はい」

「今日はよくやった」

「…………はい!」

 蔵馬は少女の頭を撫で続ける。
 死体に囲まれて。返り血を浴びて。硝煙の臭いを体に染み込ませて。
 それでも男に頭を撫でられるモモは、幸せそうに笑うのだった。
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