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あかつきの少女たち Marionetta in Aurora.
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このビルは、北側に階段と廊下があり、南側には部屋が三つ。ビルの奥の東側に狭いトイレがある間取りだ。
一階を回り終え、蔵馬は階段にいるモモに五指を開いて見せてから、上を指差した。
奴らは五階。その意は伝わったらしい。頷き、カーデガンの下からサプレッサーの付いたPx4を抜いたモモに背後を任せ、蔵馬は階段を登っていく。二階、三階、四階は扉に鍵がかかっていた。中に人がいる様子もない。
五階。階段からゆっくりと頭を覗かせて廊下を窺うが、無人だった。
だが、この階にはやはり人の気配がある。
身を屈めて、素早く静かに一番西側の部屋の前に移動する。扉に耳を寄せると、話し声が聞こえた。ここだ。
蔵馬はモモと頷き合い、扉をノックする。
中の話し声が止んだ。
しばらく沈黙が流れる。
予想外の来訪者に警戒しているのだろう。
待っていると、向こうが痺れを切らして廊下の様子を確認しに来た。ドアノブが回り、扉が開いた。蝶番側にいた蔵馬は、半開きの扉のノブを掴んで全力で思いっ切り、叩き付ける様に閉めた。
「ごあっ!」
部屋から顔を出そうしていた男が、突如閉まったドアに顔面を押し潰されて吹っ飛ぶ。
閉めたドアを勢いよく開き、蔵馬は室内に踏み込んだ。
「何だお前!?」
唐突な荒々しい来客に面を食らっている男たちは、鼻血を吹いて失神している者を含めて中に五人いた。
部屋には中央に置かれたテーブルと、部屋の隅のスーツケースが三つのみ。
蔵馬が室内の状況を一瞬で確認する間、彼らは突然の事態に驚嘆し固まっていたが、蔵馬の手にある拳銃にすぐ反応した。
「敵だ!」
各々が懐や腰に手を伸ばすが、彼らが目的の得物を手にする前に、二人が蔵馬に大腿部を撃たれて蹲る。
「どうした!?」
室外からの声。隣の部屋にもまだ仲間がいたらしい。知らされていたよりもテロリストの数が多い。諜報部め、いい加減な仕事をしやがって。
「モモ! 行け!」
「はい!」
命じられたモモは、猟犬の如く敵を狩りに駆る。
そのモモに目を向けた一瞬のうちに、先ほどのブルゾンが距離を詰めて飛び掛かってきた。手にはサバイバルナイフが握られている。P220の銃口は間に合わない。
蔵馬は横に跳んでブルゾンの刺突を躱す。間合いと取ったが、銃を構えるより先に、残っていた巨漢の男がテーブルを乗り越えて蹴りを放ってきた。爪先が中途半端に伸びていた、拳銃を握る手を突いた。P220が弾き飛ぶ。
巨漢の追撃を避けて、蔵馬は部屋の奥へと転がった。出口はブルゾンに塞がれ、正面には巨漢の男。その手にはブルゾンが持つナイフが爪楊枝に見えるほど大型のボウイナイフ。
「お前らそれ銃刀法違反だぞ。よく秋葉原に持ってこれたな」
「お互い
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