暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos57その後のエルトリア/フローリアン家の日々〜Hopeful Days〜
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フェル!」私たちと一緒に過ごしている家族の名前を呼んで、その子の元へと駆け出しました。続いて「迎えに来てくれたの!」レヴィも、「それはご苦労なのであります!」フラムもその子に駆け寄って行きました。

「エフェル。様子はどうですか?」

「何の問題もなし! 紙に滑って転ぶこと1回、机の下に転がったペンを取ろうとして、机下に後頭部をぶつけること2回、思案中に室内をウロウロして足の小指を家具にぶつけること4回、水と実験水を飲み間違い未遂2回」

シュテルに訊ねられたことでそう答えてくれたのはエフェル――自称正式名を、スライムを基にした汎用人工精霊プロトタイプ・エフェルヘリンズ。私たちの中で一番小さな体躯のユーリが胸に抱えられるほどに小さな体(身長は大体90cmくらいでしょうか)を持ち、薄い桃色の肌で素っ裸。驚きの二頭身さんです。
50cmほどの大きな頭部に40cmほどの小さな体。手足は本当に短くて、長方形のような体の四方から突き出している三角の手足です。もちろん指なんて有りません。顔のつくりは、性別の判別が出来ないのっぺりとした童顔で、紫色のショートヘア、瞳はパッチリした青色、お鼻は無く、口の大きさは変幻自在。そして抱き心地は・・・スライムという材質特有なのかプニプニでフニフニの柔らかさで、枕にすると安眠できます。そして・・・

「わーい♪」

レヴィがエフェルの頭部を胴体から外して、ボールのように跳ねる頭部をバウンドさせる遊び(バスケットボール、というらしいです)をフラムと行い始めた。そう。エフェルは頭部の着脱が出来るんです。これもスライム特有なのか、頭部は硬軟自在で、液体状になったりゴムのような硬さ、果ては鋼鉄のような硬さにもなったり出来ます。で、その特性を活かして自身の頭部をボールに見立てて遊ばせるなんて、とんでもないことも平気で出来ます。

(そう、あれはいつだったでしょうか・・・)

エフェルの頭部吹っ飛び事件。エルトリアに帰ってから1年と半年ほど経過した後でしょうか。復興の合間の休憩途中、近くの木に実っていた果物を採ったレヴィに、自分にも寄越せと座って休憩している王様が言い、それに従ってレヴィが果物を剛速球の如く投げたのでしたね。

――馬鹿者! なんでそんな本気で投げるか!――

王様の前を横切ろうとしていたエフェル。そして果物はエフェルの側頭部に勢いよく衝突。そしてそれは起きました。エフェルの頭部が吹っ飛び、王様の受け止める形になっていた手の中へ。頭部の代わりに果物が首の上にちょこんと乗って・・・。

――うぉぉぉぉーーーーーいっ!!??――

――きゃぁぁぁぁぁーーーー!!――

王様とユーリのあんなに大きな悲鳴、エルトリアに来てから後にも先にもあの時のものが最高でしたね。驚いた王様は立ち上って、
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