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ソードアート・オンライン 神速の人狼
第五十層ボス戦
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場の雰囲気を和ませようと思ったすえの行動でな、って、おいあぶねーな、オイ??」

ユーリの刀が頬を掠り、クラインが抗議の声をあげる。シィが間にはいったことで事なきを得る。

「しっかしよ〜。おめーさんの生えてる耳と尻尾ってなんなんだ?新しいアクセサリーか?」

ついに攻略組の全員が気になっていた事案に触れ、皆ゴクリと生唾を飲む。

「スキル、"人狼"……の影響だ。出現条件はクエストクリアの報酬みたいだな。」

ユーリは歯切れ悪そうに言う。

「へー、また奇怪なスキルがあったもんだな。けどよ、ユーリ。お前、見たことねスキル使ってたがその人狼とかいうスキルと関係あんのか?」

そして、恐らくユーリ自身がもっとも触れられて欲しくない点へと触れる。ユーリは一瞬、話さずに逃げてやろうかなどと考えたがそれだと話すまでしつこく聞いてくるので、諦めて話す事にする。

「…………。いや、別物だな。"抜刀術"。多分、ヒースの奴と同じユニークスキルだと思う。出現条件は知らん。いつの間にか出てた。」

「なっ??おめー、ユニークスキルってマジかよ!」

新たなユニークスキルと聞き、静まり返っていたプレイヤーたちが一気に湧き上がる。

「まぁ、お前が一時期攻略から外れていた理由がわかった気がするわ。特段に目立つ事を気にするおめえに獣耳とユニークスキルじゃあな……ぷぷぷ、それにしても犬耳ってよ〜、似合い過ぎだろ。」

「悪かったな……。そーいえば、こんなものドロップしてたんだが、欲しいひとー!」

アイテムウィンドウを弄り、一本の漆黒に輝く片手直剣をオブジェクト化させる。その剣の出現にキリトを筆頭に攻略組の片手剣持ち達が食いつく。

「こ、これって……」

「第50層のLA」

「は?」

キリトは恐る恐る尋ねたがあっけらかんとして答えるユーリに皆揃って素っ頓狂な声をあげる。

「おま、LAって……。自分が使ったりとかしないのかよ」

「いや、俺、刀だし。使わないし」

理由が理由なだけあって、さすがに呆れるキリト。ボスから得られるLAで得られる武器は魔剣級と呼ばれるほどの超レアアイテムの武器であり、プレイヤーなら喉から手が出るほど欲しくなる一品である。それをユーリはただで渡そうとしているのである。

「お、俺に売ってくれないか?」

などとユーリに詰め寄るプレイヤーが数人いたが金に困ってないからじゃんけんなり、決闘なりして誰の物にするか自分達で決めろと一蹴。

「まあ、ユーリだし……」

シィの一言でみんな納得したのだった。

その後、ユーリがドロップしたLA《魔剣 エリュシデータ》をかけたじゃんけん大会に50人近くのプレイヤーが参加したとか。

手に入れた幸運な持ち主はキリトだっ
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