暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
奇襲強行 〜現れる毒蛇の牙〜
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った。
「ルール破りの
八騎目
(
サーヴァント
)
。聖杯は
例外
(
あなた
)
を認めているけれど、それほど特別というわけではなさそうね」
「……それがどうかしたのかしら?」
確かに彼女の存在に纏わる事に関してはイレギュラーなものが多いが、フェンサー自身は普通のサーヴァントだというのは概ね同意だ。
もしかしたらまだその異常性を隠している可能性もなくはないが、今更常識をひっくり返すほどの隠し事はないはずだ。
「私のバーサーカーに比べれば、取るに足りない存在……セイバーやアーチャーほどですらないわ」
「……………………」
今のイリヤの発言で、フェンサーがカチンと来たのだけは分かる。
明らかに戦意が高まったし、指示も出していないのに宝具を武装した。
だけどここで戦うわけにはいかない。そのことはフェンサーも承知の上だ。
この相手に正面からぶつかったところで勝機などない。これは如何にして撤退するか、闘争ではなく逃走を選ぶしかない詰みの状況だ。
「見逃してくれる気は……なさそうだな」
狂戦士はその名に似合わず微動だにしない。己が主からの指示があるまで一切不動。
あれほどの英霊をバーサーカークラスで呼び出し、完璧に制御していること自体が彼女のマスターとしての技量を証明している。
無事に逃げられるかどうかは分からないが、進退を誤れば俺とフェンサーはここで倒れることになる。
「それじゃあ────やっちゃえ、バーサーカー」
月夜に歌うような号令の下、アインツベルン最強のマスターとサーヴァントが進撃を開始した。
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