暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
奇襲強行 〜現れる毒蛇の牙〜
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、そろそろ時間か……」

 もうすぐ凛と士郎が葛木先生に接触するタイミングだ。

 凛が防音結界を敷いていると思われる空間圏内に、葛木先生が侵入する。



 今夜の予定は知らされなかったが、それはこちらで情報収集することで把握した。

 柳桐寺関係者として容疑を掛けられた葛木先生なら、当然柳桐寺に帰るだろう。
 今日の彼の日程は入院している生徒の容体確認と、校舎内除染業者と学校の塀の修繕業者との打ち合わせ。

 ライダーの所業については薬品運送のトラックが学園に突っ込み、生徒たちはその薬品の影響で昏倒したことになっている。
 実際には結界によって生徒が昏倒してから塀は壊れたのだが、フェンサーが天馬に轢き飛ばされて崩れた塀はそのトラック事故が原因だとすり替えられた。

 状況としてはかなりの惨事だったが、世間への誤魔化しとしては上手くまとまっている。
 薬物汚染の除去などは教会が用意したダミーだが、学園校舎や塀の修繕業者は必要なので、被害の無かった葛木先生が動いているのだ。

 業者との打ち合わせを終えてから柳桐寺まで帰るルートを調べ、その道すがらを観察できる場所で待ち伏せているのが現状だ。
 どこかに隠れ潜んでいると思われる凛たちの姿は確認できていないが、代わりに葛木先生の姿はずっと視界に入っている。

 もちろん静観するつもりだが、凛の事後報告などを待つつもりはない。結果だけではなく過程の情報にこそ価値がある。

 もしも当たりを引いたなら、間違いなく戦闘が起こる。あのキャスターが自由にマスターを出歩かせていながら、何も策を張っていないわけがない。
 その時に少しでもキャスターの手札を知ること、あわよくばセイバーやアーチャーの能力を知ることが出来れば、今後戦うことになった際に有利になる。

 今こうして俺とフェンサーが監視していることは、キャスターにはバレているかもしれないが。

「個人的にはハズレであってほしいんだが……どう思う、フェンサー」
「さあね。特に魔力の気配もないし、魔術が掛かってる気配もないけれど」
「この距離から見ているだけで分かるのか」
「さすがに魔術に関しては引けを取るから、絶対とは言えないわよ」

 それでも魔術に長けた彼女が言うなら少しは信憑性がある。

 問題はここからの凛たちの行動次第なのだが──────

「………………」
「………………」

 いやまあ、凛が躊躇いなく呪詛弾(ガンド)を撃ったのも驚いたが問題はそこではない。

 どうやら当たりを引いてしまったらしい。
 葛木宗一郎の背に向けて放たれたガンドは、直撃寸前で突然中空に現れた黒い布に阻まれ雲散霧消した。

 その黒布から影が現れ、形を成す。

 学園で一度見た覚えがあ
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