暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
奇襲強行 〜現れる毒蛇の牙〜
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聖杯戦争、魔術師のルールに抵触しないグレーゾーンギリギリで上手くやっているが、いずれ死人が出ないとは言い切れない。
表向きにはガス漏れや薬品事故として処理しているし、真実は世には出ていない部分が大半だ。
だが規模が大きくなればそれだけ隠し通すのは難しくなる。
それでも隠蔽しきるのが魔術師としての手際であり、聖杯戦争においては教会の役割とはいえ、いつまでもそんなことを許すわけにはいかないだろう。
確信があるにせよないにせよ、行動を起こすなら早い方がいいのは間違いない。
キャスターに関わる事は彼女に一任すると約束した以上、こちらからは余計な口出しはしないでおこう。
『具体的にはどうするんだ?』
『事故に遭わずに済んだ、自由に動ける教師だからか色々駆け回ってるみたいでね。帰りが遅くなって、一人でいるときに仕掛けるわ』
『物言いに一抹の不安を覚えるが……』
『これで義理は通したからね。結果はまた教えるわ、じゃあね』
『あ、待っ──』
あのバカ、言いたいことだけ言って切りやがった。
しかも絶対に失敗する方向を考えてないぞアイツ。
公衆電話からの着信だったからかけ直すこともできない。
仕掛けるってなんだ、直接ちょっかいかける気なのか?
間違いだったときはどうするのかとか、正解だったときはそのまま交戦になることとか、まだ聞いてないことが沢山あるのに!
当たりだった場合に都合のいい展開を考えるなら、無事キャスター陣営を撃破すること。
そうでなくても片方の陣営が倒れれば、今の戦局バランスは一気に崩れることになる。
それこそキャスターなどは白兵戦で劣るがゆえ、確実にマスターを狙うなどの搦手で来るはずだ。
マスターがやられてしまえば、サーヴァントはその能力を十分に発揮できず、やがて消えてしまう。
それだけのリスクをちゃんと考えているのか。
士郎か凛のどちらかが脱落するだけなら、まだ許容範囲内ではある。
最悪の事態はセイバーとアーチャーが負けること。
キャスターを倒したとして、後にバーサーカーを相手取るにはどちらかの協力が必要だと考えている。
セイバーとアーチャーが二人共、キャスターとアサシンと相討ちなどになってしまったら完全にお手上げになる。
その場合はランサーと組まなければならないのだが……個人的にはやはり、少しは信頼の置ける相手と組みたいのが本音だ。
自分の都合で言っているのではなく、これは他の陣営にとっても今後の展開が変わる分岐点になる。
出来れば今回はハズレを引いて、次にちゃんとマスターを特定して必勝を期してからの行動にしてほしいところだ────────
「さて
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