第二章
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「私は男とデートする趣味はない」
「冷たいなあ、っていうか素直じゃないなあ」
「あのな」
今の素直じゃないという言葉に反応して自分の左にいる遼平をむっとした顔で見るのであった。
「どうして御前はそう思うのだ?」
「素直じゃないのは本当じゃない」
しかしそれでも遼平は言う。
「本当はデートできて嬉しい癖に」
「勝手に人の気持ちを捏造するな」
そう遼平に対して言う。それと同時に彼の少し着崩した青い詰襟を見る。対する真琴の服はスカートの丈までも端整に着られた黒とエンジ色のセーラーであった。この学校の制服である。
「全く。服装もいい加減なら言葉もいい加減だな」
「そうかな」
遼平はその言葉にとぼける。
「僕は普通だよ」
「そのだらしない格好でか」
「うん」
あっけらかんと答える。
「少しふざけてるだけで」
「そのふざけているのが駄目なんだ。そもそも部活の時もだな」
「真面目にやってたよ」
しかし彼はこう言い返す。
「やる時はね。そうじゃないの?」
「それはそうだな」
悔しいがそれは認めるしかなかった。彼女にとっては残念なことに。そうして電灯に少しだけ照らされている彼の顔を見上げるのだった。
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