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【艦これ】艦これ軽音隊!あたしらの音を聞けぇぇえッ!
艦これ軽音隊!あたしらの音を聞けぇぇえッ!
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く。
 まだ解放前のドッグは当然だが誰もおらず、ほとんど日の光が入らないせいもあり、中は真っ暗である。
 そんな真っ暗闇の中、愛宕は手慣れた感じで扉の横にあるスイッチをオンにする。
 ピカッ! と眩しいほどの光がドッグ内を照らす。
 するとドッグの真ん中に、スタジオさながらの音楽設備が姿をあらわした。
 ドラム、アンプ、スピーカー、などなど、演奏に必要な機材は全て揃っている。

「さぁってとぉ、ちゃっちゃと準備しちまってよぉ、さっさとおっぱじめよぉぜぇ」

 天龍はタタッと走ってアンプの前に立つ。
 そして背負っていたソフトケースを開ける。
 ケースの中からあらわれたのは、漆黒と言っていいほどに深い黒色のギター。
 なんとも存在感のあるギターが、天龍の手によって取り出される。
 天龍は素早くギターのストラップに身を通し、アンプとギターをケーブルで繋いだ。
 そしてアンプの電源スイッチをバチンッと弾く。

“ぎゅわぁぁぁぁん”

 天龍はピックで弦を弾いた。
 まだチューニング前なのだが、ギターによって奏でられた音には全くもって狂いがない。

「やっぱこいつは優秀だぜ。弾くの久しぶりなのに、チューニングしたばっかみたいだ。これなら微調整なしでもイケちまうぜ」

 天龍はギターを構えながら恍惚の笑みを浮かべ、満足げに語った。

「天龍ちゃんったら、前もってチューニングしなかったの? なんて、私も実はしてないんだけど」

 龍田は白いソフトケースを開け、中から眩しいくらいの純白のベースを取り出した。

“ぼぅぉぅぅぅうんッ”

 龍田がベースを鳴らした。
 やはりチューニングが不要なくらいに、音に狂いは全くない。

“バスンッ、ドンドンドンッ、シャラァアアンッ”

 愛宕もドラムを試打する。
 ドラムも調整不用なほどに正確な音を鳴らし、すぐさま演奏可能な状態であった。

「さすがは妖精さん達ねぇ、前回演奏してから結構経つのに、音がぜんぜんズレてないわ」

 愛宕はくるくるとスティックを回転させながら、鼻歌まじりにドラムを叩いている。

「妖精の奴らはよぉ、普段、艦を建造したり修復したりしってっかんなぁ。楽器を作るのなんて朝飯前なんだろうさ」

 天龍は器用に速弾きしながら、ノリノリでソロ演奏をしている。

「天龍ちゃん。楽器を作ってくれたのは家具職人さんよぉ?」

 龍田は意地悪く笑みながら、天龍の速弾きに合わせてベースを弾く。

「うっっっっっっっっせぇぇぇなぁぁぁぁぁぁッ! そうやって正論でツッコミ入れやがってよぉッ! 性格悪いにもほどがあんぞぉッ!」

 天龍は額に巨大怒りマークを出現させて、ビキビキという音が聞こえそうなほどの怒り顔になっている。
 
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