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辻堂雄介の純愛ロード
第伍話『喧嘩狼と喧嘩姫』
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愛。不倒不敗の喧嘩狼―――だそうだ」

「私は海堂澪。広島…いえ、中国地方で敵なし、無敵無敗の喧嘩姫―――と言われていました」

「あれ、お前そんなに強かったの?」

「そうですよ、何なら今ここでヤりますか?」

「いや、今はパス。その前にこいつら片づけないと」

「ああ、そうでしたね。それではっ―――」

「―――やるかっ!!」

「「ひぃぃぃぃぃ!?!?」」


ドゴォオオオーーーーーーーーンッッッ!!


 キラーン!キラーン!


 不良2名、星へと帰った。


「……合掌(−人−)」


 俺一人、空へと消えた不良達に手を合わせた。死んではいないと思うけど、まぁ一応…。
あ、救急車呼んどこ。


「出たー!愛さん77の殺し技のひとつ!ギャラクティカ昇竜拳!!」

「漫画なら見開き確定の大技だぜ!!」


 なんか、軍団員も盛り上がってるし。


「委員長、怪我は?」

「あ、はい。大丈夫です」

「ン……」


 顔が少し綻ぶ、愛。いつもこんな顔してればいいのに……と助けてくれた澪の頭をお礼がわりに撫でながら見ている。


「ひぃ……ひぃ……クソ、舐めやがって」


 ん?なんか、愛に腕を折られたエッジAが不穏な動きをしてやがる。要警戒だな、澪も気が付いたのか鋭い眼で見てるし。


「最速エッジを舐めるなあぁぁ!!」


 折れていない方の手にナイフを持ち替えて愛に襲いかかる。

その瞬間―――


ドゴォォォオオーーーン!!


キラーン!


 エッジAも昼間の星へと変わった。


「…ふむ、案外簡単に出来るもんだな」


 コキコキとギャラクティカ昇竜拳を放った手首を動かす。慣れない事すると反動がきて地味に腕が痛い…。


「あ…あれは、さっき愛さんが使った77の殺し技のひとつギャラクティカ昇竜拳!?」

「威力は低いがほとんど完璧にコピーしてやがる!?」

「何者だ、あいつは!?」


 エッジAを吹っ飛ばした俺に視線が集まったのは言うまでもない。そして、あまりに唐突な出来事に静まりかえる生徒達。愛すらも驚いていた。

当の俺は、どうやって誤魔化そうかと考えていた。

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