暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜
閑話ー聖槍と聖剣の英雄ー
71.霜の巨人
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
んだ。

「キリト、時間がねぇ! だから少し無理させてもらうぞ!」

右手と左手の槍と片手剣を入れ替え、本来のスタイルへと戻る。かつてあの世界で《槍剣使い》と呼ばれた俺の始まりの形へと。

「わかった、クラインとリーファは援護に行ってくれ」

「おうともさ!」

刀使いが一声叫ぶと、雄叫びを上げながら俺の横へとつく。

「クライン、十秒頼めるか」

「十秒どころか、一分だって大丈夫だぜ」

クラインはこちらに親指を立てて笑う。
オッさんの笑顔なんてみたくねぇつうの。

「それじゃあ、頼んだぞ」

雄叫びを上げながら刀使いがスリュムの元へと駆け出していく。
スリュムとの距離はわずか数メートルほどだ。突進系のソードスキルを放てば、届かない距離ではない。
俺は一度息を整えてから後方へと飛び退いた。ここでは距離が短すぎる。
右手で持った片手剣を肩に担ぎ上げ、膝を曲げて重心をわずかに落とした。身体を誰かが押すような力が加わっていく。システムアシストが俺の身体を包み込む、その瞬間だ。左手の槍を後方へと引き絞り、上半身を捻った。
二つのシステムが俺の身体を包み込んだ。本来であれば、それぞれの手で持った武器のソードスキルを同時に発動することなどできない。一方が発動中に一方を発動すれば、システムエラーが発生し、どちらもスキルキャンセルが発生する。それが起きないように交互にソードスキルを出し続けるのが《スキルコネクト》だ。
ならば《スキルリンク》とはなんだ?
二つのソードスキルをわずかにタイミングをずらして発動させる奥義こそが《スキルリンク》の正体だ。二つのソードスキルが合わさりあった威力は膨大なものとなるが技の見た目に反して発動条件は、《スキルコネクト》以上に繊細なのだ。
右の片手剣が閃光をまとい後方から不可視の手が俺の背中を押した。片手剣を前へと突き出し、右足で地面を蹴り上げ、突進する。片手剣突進技《レイジスパイク》。
突進の勢いとともに右脚で力強く地面を踏み込み、見えざる力を受けた槍を一気に解き放った。槍投撃技《レイヴァテイン》。
突進と投撃を合わせる《スキルリンク》の破壊力を得た神殺しの槍がスリュムの胸へと向かい一直線に飛来する。
防ごうとしたスリュムは右腕で槍と胸の間に差し込んだ。だが、その程度で止められるほど《スキルリンク》はあまい技ではない。
紅蓮をまとった槍は、螺旋回転を描きながら容易くスリュムの強靭な腕を貫き、胸へと突き刺さった。

「んがあぁぁ!」

初めて苦痛の声を上げたスリュム。HPゲージの一本が四分の一が一気に削り取られる。しかし強力な技ゆえに技後硬直(スキルディレイ)の時間が二つ分一気に襲いかかってくる。ディレイ時間がわずかなものであってもこちらの攻撃を受けてから体勢を立て
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ