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閑話ー聖槍と聖剣の英雄ー
71.霜の巨人
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前ェ! させっかンな真似! このクライン様が、フレイヤさんには指一本触れさせねェ!!」

NPCとわかっていながらそんな台詞言えるクラインさん、まじカッケェっすわ。

「おうおう、ぶんぶんと羽音が聞こえるわい。どぅーれ、ヨツンヘイム全土が儂の物となる前祝いに、まずは貴様らから平らげてくれようぞ……」

巨人の王が一歩踏み出した瞬間、俺の司会の右上に、余りにも長いHPゲージが表示された。しかもそれが三段積みの特典付きだ。
しかし、新生アインクラッドの各層のフロアボスたちはHPゲージが見えない。それよりはまだマシな方だ。

「───来るぞ! ユイの指示をよく聞いて、序盤はひたすら回避!」

キリトが叫んだ直後、スリュムが大岩の如き右拳を天井近くまで高々と持ち上げ、青い嵐をまとったそれを、猛然と振り下ろした。




そこから俺たちはスリュムの攻撃パターンを読むのに必死だった。
ようやく解読できた限りでは、序盤攻撃パターンは、左右の拳によるパンチ撃ち下ろし、右足による三連続踏みつけ、直線軌道の氷ブレス、そして床からドワーフ兵を十二体生み出すというものだった。
最も厄介なドワーフは最後尾のシノンの弓が正確に捉えたことで問題はなかった。あとは直接攻撃をユイのカウントに助けられながら前衛組は回避した。
防御の形ができたところで、攻撃に転じたが、やはり俺たちの剣はスネにしか届かない。一瞬のタイミングを逃さずに三連撃程度のソードスキルを放つがディレイの少ない技は属性ダメージも低い。
そんな状況でも心強かったのが、フレイヤの操る雷撃系攻撃魔法だった。
十分以上の奮戦の果てに、最初のゲージを削り取った。すると巨人の王は咆哮する。

「パターン変わるぞ!」

「全員警戒しろよ!」

叫んだキリトの声の他に、隣のリーファの切羽詰まった声が届いた。

「まずいよ、シュウくん、お兄ちゃん。もう、メダリオンの光が三つしか残ってない。多分あと十五分ない」

ちっ、と小さく舌打ちをする。
スリュムのHPゲージは三本。一本削るのに十分以上かかっている。さらにHP減れば攻撃パターンが変わる可能性がある。
以前のように、金ミノタウロスの時のように《スキルコネクト》によるゴリ押しは恐らく通じない。キリトと二人でも行っても相手の攻撃を止めることは不可能に近いであろう。同様に《スキルリンク》でも削り取ることはできない。あの技は重い一撃を放つことがメインの荒技なのだから。せいぜいできて怯ませることくらいだ。
気の迷いが思考を鈍らせる。
するとスリュムが、突然両胸を膨らませ大量の空気を吸い込んだ。
強烈な風が巻き起こり、前衛・中衛の六人を引き寄せる。
まずい、と思ったが抵抗することはできない。広範囲攻撃の前触れだ。回避しよ
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