第五幕その六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「お会いしたことも」
「なかったと思います」
「そうだったね、ではね」
「ジンジャー将軍にお会いする為にも」
「その為にもですね」
「あの人もオズの国の名士の一人でね」
そのこともあってというのです。
「悪い人ではないからね」
「何かあれですよね」
カルロスがその将軍について教授に言いました。
「お菓子が好きで」
「そう、それでしっかりしていてね」
「何か子供っぽいところもある人ですよね」
「お菓子が好きで叛乱を起こしたこともあったよ」
それが元でオズマがオズの国の国家元首になりました、思えば将軍がいてこそ今のオズの国も存在しているのです。
「あの時は大騒ぎだったよ」
「私その時はオズの国にいなかったのよ」
ドロシーはそうでした、その時は。
「何かあの時期だけはね」
「そうそう、ドロシー嬢が唯一関係しないね」
「オズの国の騒動だったわね」
「ドロシー嬢はこの国にはじめて来てからずっと騒動には関係しているからね」
そしてその解決に大きく貢献してきているのです、ドロシーがいれば騒動は解決するところがあるのもまた事実です。
「けれどあの時だけはね」
「いなかったのよね」
「オズの国自体にね」
「ドロシーさんがオズの国に正式に入られたのはノーム王が攻めて来た時でしたね」
また言うカルロスでした。
「その時からでしたね」
「そうなの、それまではね」
「オズの国に来ることはあっても」
「その都度帰られていましたね」
「貴方達の世界にね」
「それがヘンリーおじさん、エムおばさんと共に」
「そう、正式に移り住むことになったのよ」
おじさん達を助ける為もあってでした。
「そうなったわ」
「そうでしたね」
「それでその時からはね」
「いつもですね」
「オズの国で騒動があればね」
まさにその時はです。
「私が行ったりしてね」
「解決に尽力されていますね」
「私だけじゃないけれどね」
ドロシーはいつも動いていますがそれでもです。
「私だけで何かを出来たことは一度もないわ」
「他の方々がおられてこそですね」
「そう、そうしてね」
そのうえでなのでした。常に。
「いつも騒動が解決出来ているのよ」
「そうなんですね」
「そう、それでジンジャー将軍だけれど」
「ドロシーさんはお会いしたことがありますよね」
「ええ、何度かね」
その叛乱の時はお会いしていなくともです。
「お会いしたことがあるわ」
「そうですよね」
「悪い人ではないわ。面倒見もよくてね」
「そんな人がどうして叛乱を起こしたんでしょうか」
カルロスは叛乱やそうしたことは悪い人がすると思っています、それで首を傾げさせてこう言ったのです。
「悪い人でないのね」
「ただしたくてってところが
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ