第五幕その二
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「ただ眠りが深いだけだよ」
「じゃあどうすれば」
「彼が起きるかだね」
「このまま寝てもらう訳にもいかないですね」
「ボタンとスカーフを返さないといけないからね」
だからだとです、教授はカルロスにお話しました。
「起きてもらってね」
「そうしてですね」
「そう、返すよ」
そうしようというのです。
「彼に起きてもらってからね」
「けれどこのままだと」
「そう、寝たままの相手に返すことはね」
それはといいますと。
「あまりよくないからね」
「起きてもらってから」
「そうしてだよ」
あくまでだというのです。
「彼に返すよ」
「それじゃあ今から」
「もう一回起こそうか」
こう言ってです、教授はもう一回ボタン=ブライトの身体を揺らして声をかけます、ですがそれでもなのでした。
やっぱり起きません、これには教授もです。
首を傾げさせてです、それで言うのでした。
「さて、どうしたものかな」
「起きないわね」
「元々起きない子だけれど」
「今回は特にね」
「うん、起きないよ」
教授はこうドロシーに答えました。
「中々ね」
「どうしようかしら」
「起きてもらわないと困るかね」
ボタンとスカーフを返す為にです。
「まあ起きてもらうのは私達の都合だけれどね」
「寝ているのはこの子の都合でね」
「とにかく。森でずっと寝ていることは」
そのことはどうかといいますと。
「よくないから」
「ここから運んで」
「ベッドに寝かせよう」
森の中からです。
「そうしよう」
「じゃあ運びましょう」
「リアカーを持って来よう」
「それにこの子を乗せて」
「運ぼう」
こうお話してでした、皆で。
リアカーを持って来てそれにボタン=ブライトを乗せてベッドまで運ぶことにしました。そこでカルロスがです。
教授にです、そのリアカーのことを尋ねました。
「オズの国にもリアカーってあるんですね」
「うん、あるよ」
その通りだとです、教授はカルロスに答えました。
「そういったものもね」
「そうなんですね」
「あれはとても便利だね」
「だから大学にもですね」
「あってね」
そして、というのです。
「何かあれば使うよ」
「それで今も」
「それを持って来てね」
そのうえで、というのです。
「この子を乗せて運ぼう」
「わかりました、それじゃあ」
「それでリアカーは何処にあるんですか?」
恵梨香はリアカーのある場所に尋ねました。
「一体」
「ここからだとね」
教授は今自分達がいる場所から恵梨香に答えました。
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