第2巻
公国同士での初戦
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ては、黒竜旗同士が争うところは見たくないが、槍と槍、甲冑と甲冑がぶつかり合う。馬と一体になって猛進を止められず崩れ落ちた兵はいたが、地上から騎兵を叩き落とす者はいなかった。騎兵一人ずつに、風を纏わせる事で叩き落とそうとしても風の防御で叩き落とされずに騎兵は地面に倒れる者を踏みつけて槍に突かれ群がる兵達に斬り刻まれる。エレン配下の騎兵は、ヴォルン大公の支援によりいつもより強かったがリュドミラ配下の重装歩兵も頑強に抵抗する。
「第一陣を後退、第二陣を出せ」
最初の騎兵達が後退し、控えていた騎兵部隊に風の防御が乗り移る事で交代したのだった。第一軍に劣らぬ猛攻だったが、それでもリュドミラの重装歩兵達を突破できないでいた。いくら風の防御があったとしても、ヴォルン大公の支援がいつまで出来るかはティグル次第。ライトメリッツ軍の後方で指揮を取りながら、エレンは注意深く戦況を見守っている。隣にいるティグルは風のエレメンツを使い、味方を叩き落されないためなのか手を敵に向かってかざしていた。正面突破は出来るとは思っていない、攻めながら一方でリムに兵を与えて敵の側面を突くつもりだったらしい。
「リムアリーシャ様の部隊が撃墜されました」
「・・・・リムは?」
「ご健在です」
安堵の息をついたエレンは兵を下がらせると忌々しげに腰の長剣を叩いた。アリファールが不平を訴えるように強めの風を送る、隣にいたティグルも風のエレメンツを使うのをやめてからハリセン一発してから落ち着かせた。
「全く竜具を叩くとはよくもまあ俺の目の前でやったな?」
「すまない、ついカッとしてしまった。だがこれでは『俺がちょいと行ってくる』何?」
「遠くからの支援活動を他の者に任せたのでな、俺が騎兵部隊に混ざって重装歩兵を葬ってくる。風の精霊王に頼んであるから問題ないさ」
風の精霊王サイフィスに支援活動をそのままにと命を下した後に、俺は騎兵部隊に混じって突撃した。指揮は取らずに一兵士として参加したが、格好は鎧ではなく黒い戦闘服なので目立つような気がしたがまあいいやと思ったティグル。銃の攻撃範囲はあるので、このままでも撃てるが先頭にいる味方に巻き込む訳にはいかないので先頭に出てから槍を構えて迎え討とうとしているオルミュッツ兵の脳天に向って乱射した。すると次々と一発ずつ重装歩兵の頭に当たるので、そのまま馬に踏みつけられていた。やはりいくら甲冑が一、二だとしても貫通弾の前では何の役に立たない。
「いやー、いつ見てもお見事ですな」
乱射した後、隣にいた騎兵部隊の指揮官が賞賛する言葉を口にする。
「向こうがいくらいい甲冑を着ても俺の弾では弾き飛ばす事ができないようだ」
オルミュッツの重装歩兵は兜も甲冑も隙間がないが、盾を貫通させてそのまま身体に討ち
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