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日向の兎
1部
16話
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やはや時の経つのも随分と早いものだ。
そういえば、そろそろヒナタもアカデミーを卒業するのだったな。何かしらで祝ってやるとするか。
忍具は危ないだろうし……術でも教えてやるか?
そんな事を考えているとガイ先生がやってきた。その手には四枚の事務的な事柄の書かれた紙があり、その内容は中忍試験を受けるか受けないかの同意書のようなもののようだ。
中忍か……恐らく、中忍になれば生活面でも自立可能と見なされて家を出る事になる。それに関しては問題もないし、そんなものはとっくに納得していた。
とはいえ、試験は班単位で受けるものが多いという事もあり……少々今受けるのは早計だろう。リーはまだ表蓮華を完全に物にしたとは言えない、ネジ、テンテンもまだ磨くべき箇所はある。
無論、私もまだまだ体作りすべき箇所はある。
「おい、お前たち」
「今期の中忍試験、私は辞退する予定ですので」
「……俺の説明を取らないでくれ、ヒジリ」
「中忍試験?ちょ、ちょっとヒジリ、どういうこと!?」
「慌てるなテンテン、単純に先生の持っている紙の内容が白眼に見えただけだ」
「いや、そこじゃなくってなんで辞退するの?」
「単純に私達は力量不足だからだ」
「うっ……他の人ならともかく、その眼を持ってるヒジリに言われると腹立つけど、事実として受け入れるしかないよ」
「その姿勢は好ましいぞ、テンテン」
「そりゃどうも。で、先生はどうなんですか?」
「俺も今年は辞退させる予定だったが、リーとネジはどうする?」
「僕はまだまだ修行不足なので……」
「俺はヒジリ様の監視が仕事なので、ヒジリ様が辞退するなら俺も辞退します」
「そうか……では、来年は全員中忍になれるよう俺も全力で指導していくぞ!!」
「はい!!僕も付いて行きますよ!!」
「リー!」
「ガイ先生!」
「……ヒジリ、帰ろっか」
「そうだな、ネジ」
「分かりました」



その後テンテンと別れ、ネジと共にアカデミーの前を通りかかるとナルトがブランコに一人腰掛けつまらなさそうにアカデミーを見ていた。
今日は卒業試験のあった日だが……ああ、そういうことか。
「落ちたのか、ナルト」
「ね、ねーちゃん……急に声をかけてきていきなりその内容は酷いってばよ」
「隠してどうこうなるものでもないだろう?」
「はは……ねーちゃんらしいや」
「私は私でしかないからな。だが、君は君らしくないぞ?そら、いつも通りに立って立ち向かうといい」
「ちょっと、今は疲れたんで休憩中だってばよ」
「そうか、どうでも構わないが……逃げるなよ」
ナルトを置いて、家に向かおうとするとネジが声をかけてきた。
「随分と辛辣ですね」
「人は太陽だけでは育たんだろ、たまには北風も必要だという事だ」
「……俺には殆ど北
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