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クルスニク・オーケストラ
第七楽章 コープス・ホープ
7-2小節
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い。他のエージェントたちも。わたくしの目が青い内は、対策室からこれ以上の時歪の因子は出しませんことよ。

「何なんでしょうね」
「はい? どうかしまして?」
「いえ、私の人生って何なんだろうと思って」

 ああ。よく相談で聞きますわ、その台詞。特に新人エージェントから。

「特別な力があるって知った時は、正直、自分スゴイとか思ったんですけど。使命とか審判とか、訳分かんないことになってって……私の人生、どこでこうなっちゃったんだろ……」

 ああ、泣かないで、リリ。手を握ってあげる。そうよね。悲しいわよね。

「そんな言い方しないで。今はこれまでと違って《鍵》が居る。《道標》が集まる。《審判》も終わりは近いわ。悲観的にならないで。せっかくの人生なんですから」
「こんな、痛くて苦しいことばっかの人生でも、ですか。世界壊して回って、体も痛くなっていって、こんな人生なのに」
「――リリはその彼氏さんのこと、好き?」
「え? ……は、はい。好き、です。こんなことで別れたくないです」
「リリの人生には愛がある。恋がある。そんな人生が、素晴らしくないもののわけがありませんわ」
「じゃあ、ジゼル補佐は、自分の人生がいいものだって思うんですか?」

 何度、何者に、どう問われたって、わたくしの答えはいつも一つ。

「ええ。人生とは素晴らしいものですわ」
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