第2巻
ルリエ家の過去話×エレンとリュドミラの因縁
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トメリッツで新たな戦姫が選ばれたという話をリュドミラと神国にいるヴォルン大公の耳にした。その娘はリュドミラと同じく十四歳だと聞いたので、神国にいる者はすぐさま神国の特使として、ジスタート王国に向かい祝辞のために向かった。今まで神国に通さなかったはずなのに、神国からジスタートに来るのは何度もあった。オルミュッツとライトメリッツの戦姫は、代々非常に仲が悪い。お互いの領土が近いためなのか、衝突は何度もあったが何度か衝突後に必ず創造神黒鐵様が現れては戦を止めていた。リュドミラも新たな戦姫に興味を持ったのか、ライトメリッツに向かった。神話時代から争っていた訳ではないからこれを機に友好を結べるだろうと軽く考えていたが、現実は違った。自分と違い、傭兵か旅人が新たな戦姫となったと聞いてエレンに初めて会った。結論から言えば気が合わずに、戦姫同士で戦闘をし始めたのだ。
「ぽっと出の、謙虚さの欠片もない傲岸不遜な野蛮人」
リュドミラがエレンに与えた評価だったが、エレンはこう評価した。
「家柄以外に誇れるモノがない、態度がデカくて恩着せがましい箱入り娘」
双方の評価で、互いの竜具で戦ったがそれを止めたのも創造神黒鐵様だった。創造神様はたったの拳だけで剣や槍を弾き飛ばしたのだから、その時言った言葉がこう言ったらしいが、正直俺もあまり覚えていない。そん時も全身金色であったらしいと聞いた。
「我が創った『竜具』で争いをやめろ、お前らが持つ竜具は玩具ではないのだぞ?」
そう言ってから、アリファールとラヴィアスを持ってからしばらく竜具と神が話していた様子を見ていた戦姫と周辺住民達。しばらく話した後に、地面に置いてから創造神様は空高く飛んで行ったとされているようだ。俺にとって一年二年は短いが、ライトメリッツの統治ぶりと戦場での活躍を見てリュドミラはある程度は認めていた。そこに俺という謎の大公が現れてから、エレンが関わるようになってきたジスタート。創造神=俺だと言うのはまだ気付いていなさそうだが、彼女からはもう一度会ってみたいという願いが俺に送られてきたので、リュドミラの過去を語ってみた。
扉をノックする音が、リュドミラを我に返させる。随分と考え込んでいたらしいのか、カップに入っている紅茶は冷めてしまったようだ。
「入りなさい」
優しく告げると、初老の侍従がうやうやしい態度で入ってきた。母の代からこの公宮に勤めていて、リュドミラの信頼する部下の一人とされている。
「テナルディエ公爵の使者が参っております」
リュドミラは眉をひそめる。正直、あまり会いたくない相手で今現在ヴォルン大公の敵とされているテナルディエ公爵の者であるが、付き合いは曾祖母の代からのである。その頃の公爵は人格者で知られたらしいが、当代の公爵は圧政を敷
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