第五章 楽園
第10話 考え事
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達には内緒だよ?」
上条「分かってるって」
その内緒話を少し聞いてしまった士道だったが、途中からすぎてよく分からなかった。
士道はリビングの扉を開ける。
士道「凜袮……上条……」
凜袮は台所にいて、上条はその近くにいた。
凜袮「ん?どうしたの士道?あ、まだ夕飯できてないんだ。もう少し待ーー」
待って、と言おうとした時だった。
士道「今の会話……なんの話だったんだ?」
その刹那、上条と凜袮から笑顔が消えた。
まるで秘密がばれたかのように。
と、上条は笑顔を取り戻すと、こう言った。
上条「あぁ、夕飯のことを話してたんだよ。上条さんのドジで危うく卵焼きを焦がすことでしたよ」
凜袮「そ、そうそう!最近私、料理に自信が持てなくて……みんなは美味しいって言ってくれるんだけど……ほら。今日さ、士道夕飯楽しみにしてたじゃない?だから不安になってきて……」
士道「何だ、そんなことかよ……」
嘘だ。
士道は一瞬にして分かった。
上条の演技に凜袮が乗っただけの話。
自分にはバラせない話。幼馴染には話せなくて、二ヶ月前にやってきた上条には話せる話。
この差は何だ?
信頼の差……とか言わないよな?どう考えても俺の方が信頼度は上だし……考えられる事は俺に話したら不都合なことだろうけど……
そして今気づいたのだが上条が珍しく……いや、初めて見たのだが、ネックレスをしているのだ。
服に隠れて何を着けてるのかは分からないが……何の心境の変化だ?
いや、今はあまり深く考えないようにしよう。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
天宮市で観測された強大な霊波は恐ろしく強大な力を持っているが、その『誰かさん』はその力を制御しきれていない。
というのが琴里の第一声だった。
士道の部屋に集められた上条達は、今起きている現象について議論しているところだ。
士道「どういう……」
琴里「分からないわ。霊力の上下幅が大きくてかなり不安定。その揺らぎは日を増すごとに大きくなってきてる……」
一方「相手が精霊だとしたら、厄介だなァ……」
琴里「そうね。その力を持ったまま、暴走なんてしたら……」
佐天「……したら?」
琴里「……国一つ吹き飛んでもおかしくないわ」
佐天「……え?」
士道「そ、そんな……」
琴里「三十年前のユーラシア大火災ほどではないけど、日本ぐらい簡単に消し飛ぶわよ」
上条「その前に、解決策を見つけないと……」
一方「でもおかしくねェか?確かその霊力は天宮市を覆ってるンだろ?なら、なンで俺たちは何の障害もなく平然の暮らしてい
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