帰還
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少年、未来雄介は町に一歩入って深呼吸をした。そして頬を叩き目を覚ます。雄介の目当ての場所は自分が通う予定の聖櫻学園のすぐそば、<喫茶店あまだむ>だ。雄介はゆっくりと初めて来た町と景色を楽しみながら歩く。
しばらく歩くと大きな建物が見えた。
雄「あれは・・・」
聖櫻学園。自分が通うことになる学校。今は生徒が登校していた。雄介は走って近くまで寄る。近くから見ると、とても大きく綺麗な校舎だった。
雄「うわぁ・・・!大きいなぁ!」
見とれていて、気づいた。登校している生徒の邪魔になっていることに。雄介はそそくさと離れる。が、雄介は離れる足を止め登校している一人の生徒に目が釘付けになる。
鮮やかな濃紺の髪、制服の上からでも分かるほど、線の細い体。後姿だけだったが綺麗だなと雄介は見とれていた。しかしここで後ろから話しかけられる。
?「お兄ちゃん?」
後ろを振り返る。雄介は途端に明るい笑顔になった。
雄「みのり!」
未来みのり。雄介に残された、たった一人の家族である。
雄「大きくなったなぁ」
にんまりとした実の兄の笑みを見たみのりはプッと吹き出し
み「お兄ちゃんも。さ、速くあまだむに行こ!おやっさんが待ってるよ」
雄「ああ!」
大きくなった妹を見て嬉しくなった雄介は走って<あまだむ>へ走って向かった。
店の中を見ると見知った顔が雄介を出迎えた。
お「よう、雄介。元気でやってたか?」
雄「はい!むしろ元気すぎて、エレベストにずっと入れそうな感じです!」
おやっさん、本名飾壮吉。雄介たちの両親がいなくなってから2人を引き取り、育てた人物だ。
お「荷物は全部こっちでやっておいた。今日は町をゆっくり見てきたらどうだ?」
み「私が案内しようか?」
みのりがそういったが、雄介はそれを断った。雄介は少し前まで冒険家だったのだ。初めて来た場所は自分で見たい。好奇心が溢れはじめた。
雄「それじゃ、行ってきます!」
満面の笑みでそういった雄介は、あまだむを後にした。
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