暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
79話:荒ぶる炎(ほむら)
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…ははっ、なるほど。さすがはカメレオン素体だな」

 
 怪人が士の武器を取ったことに喜んでいるのか笑い声を上げる中、士も笑みを浮かべて納得するように頷いきながら言った。
 カメレオンは獲物を取る際、その長い舌を伸ばし一瞬にして口まで運ぶ。その特性を生かし、姿の見えない隙に厄介な武器を奪い取ったのだ。


「その足りない頭でよく考えた、ほめてやろう」


 士はそれに対して何故か上から目線でそう言い、しかし「だが」と続けた。


「そういうことを、こちらが想定していないと思わないことだ」
〈 ATTACK RIDE・STEAL BENT 〉


 そう言って士は笑みを消さずに、ライドブッカーからカードを取り出し即座にバックルへ挿入する。
 するとちょうど怪人の顔の横にあった二本の撥がいきなり消え失せ、次の瞬間には再び士の両手にしっかり握られていた。

 これにはさすがの怪人も動きを止めて呆然とし、何が起きたのか状況を上手く飲み込めない様子になっていた。


「残念だったな、そういうことの対策はしっかりあるんだよ。まぁよく考えた方だから、よく頑張った¥ワでもくれてやろうか?」


 そんな様子だった怪人を見て、尚も笑みを消さずに挑発的な言葉を放つ士。それを聞いた怪人は怒りのままに何度も地面を踏み、怒りを露わにする。
 そして怪人はその怒りに任せるように、上体を弓なりに反らし始めた。またあの酸を飛ばすつもりらしい。

 しかし怪人が上体を反らそうと体を動かした時には、すでに士は動き始めていた。
 両手に持つ撥に魔力を供給させて、その先端に炎を出現させていたのだ。


「はっ!」
「シャアァァ!」


 士は撥を振るい、怪人は上体を引き戻しそれぞれ炎と酸を同時に―――否、士の方が若干早く放った。
 士の放った炎の速度は怪人の酸よりも速く、酸が比較的まとまっている段階で衝突し、そして酸を容易く突破し―――


「シャギャァァ!?」


 怪人の胸元に到達し、見事に爆発した。
 爆ぜた炎は瞬く間に怪人を包み込み、その肉体を燃やしていく。怪人はすぐさま炎を払い、消そうと試みる。

 だが士はそれを余所に両手を広く開いた構えをして、静かに目を閉じゆっくり呼吸を整えながら魔力を撥の先端へと集めていた。
 そして怪人がちょうど炎を消し終えた時、士は怪人に向かって駆け出していく。一気に距離を縮めてくる士に気づいた怪人は、苦し紛れの悪あがきのように右手を士の顔目掛けて振るった。


「ふっ―――はぁっ!」


 しかし士はそれを軽く弾いて逸らす。そして再びがら空きとなった怪人の腹部に、炎が灯る右手の撥を突き出した。
 すると撥の先端で燃える炎は形を成し、赤々と輝く剣へ
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