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本気になっていく恋
第九章
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第九章

「それでだけれど」
「だから相談してもらってるんだけれど」
「答えは決まりね。だったら」
「だったら?」
「今本人呼ぶから」
 こう言うのだった。実に素っ気無くだ。
「いいわね」
「えっ、今って」
「思い立ったが吉日よ」
 だからだというのである。
「いいわね、だから今よ」
「まだ心の準備が」
「コーヒー飲んでそれで落ち着けばいいさ」
 仁は実に軽く述べたのだった。
「どうせあの娘来るまで時間あるんだからな」
「そうか」
「そうだよ。じゃあいいな」
「うん、わかったよ」
 仁の言葉にも頷く。見れば地和はもう自分の携帯でメールを入れていた。その動きが実に速い。
 そうしてだ。メールを入れ終わるとだ。二人はすぐに席を立つのだった。
「よし、じゃあな」
「お邪魔虫はこれでね」
「えっ、帰るの」
 その立ち上がった二人に驚いて問う匠馬だった。
「ここで」
「だからよ。告白は一対一でするものだろ?」
「私達は邪魔にしかならないわよ」
 笑顔で返す二人だった。
「だからな」
「それでなのよ」
「それでなんて」
「だからな。吉報しかないからな」
「向こうもそうなんだし」
 不安な顔を見せる彼への言葉だった。
「俺達はこれでな」
「後で話を聞くからね」
 こう言って姿を消す二人だった。そして言われるままコーヒーを飲んでとりあえず落ち着いた彼のところにだ。彼女が来てだ。そして次の日だった。
 あのカラオケボックスに四人いた。まずはカウンターはだ。
「今日は試合なしか」
「よかったね」
 仁と地和がだ。スコアボードが極めて静かなのを見て落ち着くのだった。
「あのびっくりメニューは変化なしか」
「よかったよかった」
「いらっしゃいませ」
 そして店の女の子も平和な笑顔であった。ベイスターズの帽子を被ってはいるがだ。
「どのお部屋ですか?」
「態度が全然違うね」
 匠馬もその彼女を見ながら仁に囁く。
「本当に」
「こういう娘だからな」
 仁もそれに応えて彼に囁き返す。相手に聞こえないようにしてだ。
「それはな」
「割り切ってってことだね」
「ああ、そうだ」
 これでいいというのだった。
 とりあえず彼女の話は終わってだ。仁はあらためて彼に言ってきた。
「彼女も来るんだよな」
「ああ、すぐにな」
 笑顔で返す匠馬だった。
「来るってさ」
「そうか。じゃあ四人で楽しくやるか」
「そうだね、四人でね」
「飲むか」
 仁は明るい顔で述べた。
「それじゃあな」
「ああ、今日はそうしよう」
 こう二人で言ってそのうえでエレベーターの方を見る。カウンターの右手にあるそれのランプが徐々に上にあがってきてきてだ。
 その扉が開いてそこから出て来たのは地
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