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オズのムシノスケ
第四幕その八
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「カレーを楽しんでね」
「わかりました」
「それじゃあカレーを」
「カレーはいい料理だよ」
 何故いいかといいますと。
「美味しくてあらゆる栄養を補給出来るからね」
「お肉にお野菜が一杯入っているから」
「だからですね」
「そう、だからいいんだよ」
 それが教授がカレーがいいお料理だと言う理由でした。
「私も野菜カレーを食べるよ」
「夏野菜カレーとかどうですか?」
 恵梨香はその教授に言いました。
「茄子やトマトが入った」
「むっ、それはいい提案だね」
「そうですよね、夏野菜カレーも」
「あれもまた美味しいからね」
「そして栄養があるから」
「そうしよう」
 こうお話してでした、皆で大学の食堂に行ってカレーを食べるのでした。教授達は一緒のテーブルに着いて学生の人達と気さくに挨拶をしながらカレーを食べます。その夏野菜カレーを食べる教授を見てでした。
 カルロスは少し不思議そうなお顔になりました、そのうえで教授に尋ねました。
「あの、いいですか?」
「何かな」
「はい、教授はこの大学の学長さんですね」
「その通りだよ、オズマ姫に直々に任命されたね」
「そうですよね、けれど」
「専用の席がなく、というんだね」
「それに専用のお料理とかも」
 ないというのです。
「ありませんね」
「そういうことは好きじゃないのだよ」
 教授はこうカルロスに答えました。
「だからだよ」
「それでなんですね」
「うん、学長だからといってもね」
「特別な席やお料理はですか」
「私は学者でしかないんだよ」
 教授はこのことには誇りを以て言いました。
「博学にしてもね」
「それでもですね」
「君達とも学生の諸君ともどう違うのかな」
「バッタですよね」
「そう、学者であるバッタだよ」
 それが教授だというのです。
「そうでしかないからね」
「皆と同じだから」
「そう、何も変わらないから」
 それ故にというのです。
「こうしてね」
「皆と一緒にですね」
「座って食べてるんだよ」
「毎日ですか」
「その通り、もしも」
「もしも?」
「一人で食べるとするよ」
 それならばとです、教授は仮定してお話します。
「学長だから特別な席で特別なものを」
「はい」
「そうして美味しいのかは」
「そのことはですね」
「私は美味しいとは思わないのだよ」
「皆と一緒に食べてこそですね」
「そう、同じ場所で同じものをね」
 そうしてこそというのです。
「私は肉や魚を食べられないがね」
「お野菜や草でもですね」
「そう、飲むものもね」
 こちらもでした。
「皆と同じものでないと」
「成程、だからですか」
「そういうことだよ。この夏野菜カレーにしても」
 恵梨香のアドバイスで食べてい
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