下忍編
伝達経路
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音使い、といっていたが、どうやら送信型らしく受信はしてこないらしい。
例えカトナといえど、人間であることはかわりないのだ。心臓の音はどうやっても止めれない。
そういう意味では、相手側が音を聞き分けることができても、音を聞き取れなくて助かった、と束の間の安心に浸りつつ、思考を広げる。
現在、彼女は笛を吹くという行為から繰り出される、音による干渉攻撃で、カトナを攻撃してきている。
音の攻撃は、一定の波で生み出される音の高さと大きさで三半規管を狂わせて、幻覚を見せて行動不能にする…のが、要といったところか。
この攻撃の肝は、三半規管を狂わせることで相手の行動を阻止。音により脳内のチャクラを制御し、幻覚を見せる。そして、音による精神干渉。以上の三つであろう。
その三つを組み合わせて産み出された攻撃…として考えると、防ぐ手だてが無いわけではない。
音と言うのは、つまりは振動なのだから、空気に波状攻撃…つまり、風遁を使えば、この攻撃を切り崩すことは別に不可能ではない。というか、可能だ。
たとえば、風遁で自分の周りに不可視の壁を築くとか、風遁で辺り一帯の空気を恒久的に震わせ、音の効果を切り崩すという事も、出来ると言えばできるのだ。
が、カトナのチャクラの量と性質からして、その練度の忍術は使えないと見ていいだろう。
無視してちかづくという手段をとれと言われれば、取れないこともない。
が、呪印を発動してからの彼女の脚力を見るに、自分の数倍はあると見ていいだろう。決定打に欠けているカトナと、決定打に優れた少女が戦ったとき、攻撃されたら、死ぬのは自分だ。
ならば、どんな忍術ならば、あの攻撃を防ぐことができるのか。
音を使っての直接攻撃ならば、まだ手はある。自分が動くときに生じる空気の流れとチャクラの動きで、ある程度、音をずらすことが出来る。
しかし、精神干渉は、ずらしたとしても耳に届けば、その時点でアウトだ。しかも、精神干渉は範囲が手広いくせに、空間内の地形にあわせて音を使い分ける、精密作業である。
その空間に馴染むように、ある程度の乱れは織り込みずみでの攻撃だろう。無闇に切り崩せば、音の拘束にとらわれて、自滅するのは自分だ。
…音。振動。鼓膜を振るわす。脳内のチャクラに影響。視界にいくまでの伝達経路に不備。範囲攻撃。
…はた、とカトナは唐突にその可能性に至った。
ああ、そういえば実に簡単で、それでいてこの場では効果的な方法が存在したではないか。
と、彼女は思考を展開しつつ、自分の手のひらを見つめ、薄く細い形状のナイフでも作っていくイメージで、チャクラを伸ばしていく。
よくよく考えれば、直ぐに分かることではないか。
「術者、影響受けない。音による干渉が不可? 違う、それならば、あの体、活性化し
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