打鉄弐式開発再開
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約束の日曜日になる。俺は簪を連れてレイヴン社に戻った。
既に話は通してある。
俺と簪は本社内第12ラボを借りた。
「まずはミサイル用のFCS(火器管制装置)の開発からか。確か山嵐は分裂型ハイアクトミサイルだったな?」
「うん」
これまでレイヴン社で開発されたFCSをチェックしながら、最も理想に近いものを探す。元々戦闘機を開発していたレイヴン社はミサイル関連で高次元のロック能力を有するFCSをいくつも開発していた。
データを漁っていると、ベースになりそうなものがいくらか見つかる。そこからさらに絞って、5つを選び出した。
「現物を用意させる。少し待ってくれ」
俺は回線を繋いだ。
「俺だ。リストアップしたFCSを持ってきてくれ」
『了解です、若』
回線がきられる。
「待っている時間が無駄だ。次はスラスターとバランサーだ」
「…うん」
「俺の機体は内蔵ジェネレーター積んでるから大推力型が使えるんだが、普通の機体には積めないよな…。あんなもの使ったらすぐにエネルギーがなくなってしまう」
「…そんなものを積んでいるの?」
「作ったのはスタッフだよ。規格外の機動性と火力を有しながら水準並みの防御力を持たせた結果、エネルギーが足りてないことがわかったから別の用途で開発してた核融合ジェネレーターを搭載したんだ。これによりデルタカイは軍用の第三世代型とも互角以上にやりあえる性能を獲得した。ただ、この機体はかなりのじゃじゃ馬で俺以外で扱えるのは織斑先生くらいだと思う」
「………すごい…」
「まぁ、デルタカイの強さはジェネレーターだけじゃないんだけどね」
「…気になる…」
「また今度教えてやる。それはさておき、スラスターだか、これとかどうだ?高出力低燃費型。最高速度はマッハ1.8で且つエネルギーの消費を既存品の15%まで抑え込んだ新作パーツ。これなら汎用機の打鉄弐式とも相性がいいんじゃないか?」
「…それにする」
「決まりだな。それとバランサーは今のもののプログラムを少し書き換えるだけで十分だと思う」
「…うん…」
「それと思ったんだが、打鉄弐式って全距離対応型とかいいながら中距離での手段がないよな。ミサイルも、荷電粒子砲もどちらかといえば遠距離兵装の類いだ。いっそのことショートバレルのビームライフルを積むか?」
「…ビームライフル……使えるの?」
「かなり使いやすいな。バレルが短いから取り回しやすいし、威力も弾速も十分。エネルギーは予めカートリッジにチャージしてあるものを使うから本体のエネルギー消費を気にしなくていい。拡張領域も空いていることだし、試しに積んでみたらどうだ?」
「…試してから決める…」
談義している
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