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戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
二十三章
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「・・・・何を言ってるんだか。戦うわけないじゃないか」

そんな鞠に、応えられる言葉は一つしかない。

「喧嘩もしないし、武田にだけ味方する訳でもない。久遠を裏切る気はさらさらない。・・・・今、一番大切なのは、この国の未来だろ?」

「うん」

「でもな、今ここで美空と光璃はぶつかろうとしている。俺はそれを止めるために来たのさ」

「美空の所に行くの?」

「そうだな。・・・・でもこの人数では厳しいからな、そのために力を貸して欲しい人達がいるのさ」

「じゃあ・・・・!」

「そう言う事だ。鞠や梅、ひよやころ、一葉・・・・そして一真隊の力を借りに来たというか借りたい。妾だろうが、大事な家族なのは変わりない。戦うなんてとんでもないよ」

「よかったぁ・・・・。ひよもころも、きっと安心するの!」

「それからもう一つだけ。俺は光璃と美空を仲直りさせたいのさ」

「仲直り?」

「そう。今は双方とも敵同士だけど、俺の妾同士でもある。それが喧嘩しているのは良くないだろ?」

「妾・・・・そっか!一真、武田晴信ちゃんとも恋人になったんだよね?」

「そうだ。未来の妻となる光璃とな。愛妾で恋人だけど」

「・・・・・ん?」

「それにな、今甲斐では大変な事が起きているのさ」

一瞬雫が何かを言おうとしたが、雫に念話をしたら、頷いてくれた。鞠は賢い子だし、今言わないとまずいことになる。

「鞠。ここからは落ち着いて話を聞いて欲しい」

「うん」

「駿府屋形が、越前と同じ状況になっているらしいんだ」

「駿府屋形が・・・・・・」

鞠の口調は静かで、何の驚きもしない感じではあった。鞠の手をそっと握りしめて、一つ一つ言葉を選び話しかける。

「光璃はそれを何とかしたいと思っている。今川家の鞠と一緒に、世話になった義元の駿河を取り戻したいってな」

「ホント・・・・・?光璃ちゃんが・・・・?」

「ホントのホントだ。駿河をちゃんと取り戻したら、鞠ともう一度、同盟を組みたいとも言っていた」

「うん・・・・。一真の恋人なら、光璃ちゃんも鞠のお姉ちゃんなの。嬉しいの・・・・」

「俺もそれに力を貸して、光璃の手伝いと鞠との約束を果たしたい。・・・・こんな所で、人間同士で争っている場合じゃないんだ。力を貸してくれるか?」

「もちろんなの!鞠は一真と一緒がいいの!それに、駿河を取り戻すのは、鞠の夢だったの!」

「ありがとな」

「駿河が終わったら、次は久遠たちと鬼退治なの!」

「・・・・そうだな。鞠の力を貸してくれ!」

と俺達は鞠と合流した。一方長尾勢の陣地だったところは予想通りもぬけの殻だった。

「粉雪!こっちに大部隊の移動した跡があ
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