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聖魔弾の銃剣龍神皇帝と戦姫
第2巻
謁見の間×神国王創造神登場
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の光景を横目に馬を進める。今の彼女は麻の服に粗末な革鎧、毛皮のマントという旅人然とした格好をしていた。アリファールはとても目立つためか、上から布を巻いて腰に差しているが不満のためか時々風を起こしているらしい。竜具には意志を持っているので、たまに不満があると何かしらでやっては包む布を膨らませたりしていた。

「やれやれ。出来ればそこらの店で果物でも買って、ぐるりと一回りしてから芸なり踊りなりを観て行きたいところだが」

この王都ではそういう訳にもいかない。誰がどこから見ているか分からない状況だ、神国やライトメリッツなら警戒せずに行ける状態だが。王宮に着くと、名乗るまではも無く兵士達は構えを解いて、恭しく一礼した。

「エレオノーラ=ヴィルターリア様、念のために竜具を改めてさせて頂いて宜しいでしょうか」

「よく私だとすぐ分かったな」

「だから王宮の門番を続けられます」

エレンは感心しながらアリファールに巻いていた布を外す。鞘に納められた長剣は解放された事を喜ぶかのように、緩やかな風を起こして銀色の髪をくすぐった。

「他の戦姫はいるか?」

「リュドミラ=ルリエ様とソフィーヤ=オベルタス様がいらしております」

そうかとエレンは鷹揚に答え、返された銀閃を腰に差して王宮の門を潜る。その表情は微妙なものだった。

「・・・・・ソフィーはともかく、リュドミラか・・・・」

リュドミラとはあまり仲がよくない。正確には犬猿の仲と言う感じだそうだ。だがここに来たからには会うかもしれんが、まずは面倒な用件から片付けるために王宮内に入ったのだった。謁見の間に通されたエレンは、銀色の髪を結いあげ、白銀を基調としたドレスに身を包んでいた。肩を出し、胸元と背中が開いた大胆な作りで、袖や裾に細かな装飾を施し、随所に真珠と翠玉をあしらって清楚な印象を崩さず華やかさを得る事に成功しているようだ。左手にある銀閃アリファールが異形を放つが、それは戦姫を美しさを損なうものではなく、鋭さと強さを加える事によって返って引き立たせているかのようだった。その美貌と颯爽たる振る舞いに圧倒され、居並ぶ廷臣達は「ほう」とため息をつく。通常、謁見の間においては、如何なる者だろうと武器を携帯して王の前に出る事が許されずにいるが例外は戦姫とプトレマイオス神国の者と王のみだ。エレンは玉座まで延びる真紅の絨毯を静かに歩いていき、所定の位置で足を止めるとその場に膝をつく。アリファールを床に置いて、頭を垂れた。

(おもて)を上げよ・・・・『降魔の斬輝』が主、エレオノーラ=ヴィルターリア。このたび余の許しを得る事なく、ブリューヌ領内へ軍を進めたと聞いたが、(まこと)か」

国王は今年で六十になる、灰色の髪と髭は丁寧に整えられているが艶はなく、肌は黒ずみ、青い目
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