第2巻
訪問者×テナルディエ公爵の次の手
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一人である。屋敷に務める従者が同じ態度を取れば、家族共々その日の内に処罰されるからだ。
「お前の事だ。話は聞いておろう」
「ザイアン様が亡くなられた件でございますな。心よりお悔みを・・・・・・」
「思ってもいない事を言う必要は無い。貴様にそのようなものなど求めておらぬ」
ドレカヴァクの言葉を遮って、テナルディエは老人の顔を隠すフードを見据えた。
「これは恐縮。しかし、閣下にしては手緩い処罰でしたな」
「今は兵が惜しい時だ。殺す訳にはいかぬ」
実際、九千近い兵と十体の竜をこのような形で失ったのは、テナルディエにとって予想外の打撃であった。まさかジスタートの援軍が来るまでたった三百の兵で半分の五千と竜6体を失った後に、ジスタートとプトレマイオスの混合軍で一気に攻め込まれたのだ。これは創造神が神の鉄槌並みだったので、改めて神国という国が攻め込めば恐ろしい国なのだと再確認されたくらいの肝を抜かれた。兵の報告では弩以上のある飛び道具で鎧ごと脳天に撃ちこまれたり、神の一撃並みの力で飛竜をザイアンごと葬った後に火竜も竜の息吹と思われる攻撃で即死したと。
「兵と兵のぶつかり合いもそうだが、神国の大公如きが竜を倒せる訳がないと思えぬ。ジスタートの戦姫の仕業か?」
「まず間違いないでしょうな、しかし神国大公が竜を殺させたと見た兵士は多いでございます。何かしらの力で竜を倒したのかと、それにジスタート七戦姫が持つ竜具はプトレマイオス神国の創造神様が創られたと言われている武具でございます」
「・・・・名前だけは聞いたことがあるが、プトレマイオス神国が一枚噛んでるのなら、神国の者が倒せても可笑しくないと思われる。それほど強力なのか、その竜具とやらは?」
「人智では到底計れぬ代物で、相手が竜であろうと容易く斬り裂き、貫き、打ち砕く力を秘めております。ヴォルン大公が持つ剣も恐らく竜具並みの物かと思われますので、今後また攻め込むのであれば厳重にしなければなりませぬぞ」
現実に竜を倒したヴォルン大公と戦姫の事は兵の目に焼き付いている。それにドレカヴァク以外の者が報告しても笑い飛ばすだけで、聞きもせぬだろうが。そんで戦姫達が持っている武具の何で出来ていると公爵は質問すると、この地にはない物質だと聞かされたのだった。そして神国の武器や大公が持つ剣もこの地にない物質で出来た物だと推測していたドレカヴァクだった。
「なるほど。だから鋼で傷つかぬ鱗を持つ竜をも、容易に斬る事ができるか」
「さようでございます」
「ならなまた竜を調達しないといけないが、どのくらいの期間で竜を用意できる?」
「最低でも一月でございますが、前回十体でしたのでそれより多く集めるとしたら二月ほどと金銭が必要でございます」
慇懃に、
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