第1巻
神国攻撃命令
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体長が八十チュートはある成竜だ。
地竜は短い手足とした巨体を誇る竜で、全身を覆う強靭な鱗は剣や槍を粉々にする武器破壊できるくらい硬く、突進力は城壁を軽く破壊するだけの攻撃力を持つ。体力・生命力も高い。飛竜は小柄ながら巨大な翼を持ち、人間を乗せて空を飛ぶのが可能であり鱗も地竜ほどではないが硬い。火竜は飛竜と同じぐらいあるが、この中では唯一息吹を吹く竜である。常に灰や炭、鉱物を食っている。
「・・・・おお」
ザイアンは生まれて初めて見る竜に、圧倒されていた。神話や御伽噺などで存在や外見と知識も頭に入っていないザイアンだったが、目にしたのはこれまでなかった事のようだ。
「調教はほぼ終えております。火竜に食べさせる物も準備済みでございますし、今日戦場に投入しても立派に働いてくれるでしょう。相手がブリューヌ領土だったら二頭くらいでしたが、相手がプトレマイオス神国と聞いて調教して来た次第でございます」
「だ、大丈夫、なのだろうな?」
「もちろんです。触れて頂ければ、お分かりになるかと」
ザイアンは躊躇ったが、初めて見る竜への好奇心と意地により恐怖に打ち勝ったので、飛竜に歩み寄る。飛竜がすっと頭を下げてきた時に、手を伸ばすと飛竜に触れた事で他の竜も触れると頭を下げてきた竜達を見て興奮し、これで勝てると思ったザイアンであった。
「・・・・気に入って頂けましたようで」
「ああ、でかしたぞ、ドレカヴァク。俺はこの飛竜を駆るとしよう、火竜は最後の最後で使わせてもらう!」
さっきまでの不機嫌が飛んだのか、ザイアンは老人に労いの言葉をかけたのだった。いったいこの竜達をどこで捕まえたのか、どうやって調教したのか、と言った事は一切思いつかなかった馬鹿であった。普通なら考えるが、ザイアンにとっては竜がいれば神国を滅ぼす事が可能だと思いこんだのだろう。
「・・・・ただ一つだけ、ご注意を」
「なんだ?」
「敵国は竜を殺せる武器を持っているかもしれませんので、竜を使う時は最大限にご注意をしてくださいませ。それと竜達は町の匂いに慣れておりませんので、町の中に留めさせるのはおやめくださいますようお願い致します」
ザイアンは、竜が山奥にいるのを知っているので、人間の放つ匂いが好みではない。それが事実かは知らないが納得は出来たが、最初に言った事が気になった。竜を殺せる武器を持っているというのは聞いたことがない、それは真実なのかは分からないが神国に行けば分かる事だろうと思い兵一万を集めながらこの戦は勝ったと思ったザイアンであった。
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