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聖魔弾の銃剣龍神皇帝と戦姫
第1巻
神国攻撃命令
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顔はあまりにも無様だった。

「お前に一つやってほしい事があってな」

公爵は息子を招きよせて、テーブルに置いた地図の一点を差す。

「プトレマイオス神国は知っていると思うが、今は国主も大公も不在だと聞く。なので一万ばかりの兵士を率いて、今度こそプトレマイオス神国を滅ぼせ」

ザイアンは顔をしかめた。父の非道とも言う命令に驚くが、神国の大公と言われたヴォルンの顔を思い出す。それと同時に苛立ちを浮かび遠い国に行くのが面倒であった。

「父上のご命令とあらば、何事であれ拒みなど致しませんが、宜しければ理由をお聞かせいただけますか?」

公爵は先ほど客人から聞いた情報から話を振ったのだった。

「今現在プトレマイオス神国に王や大公は不在だ、今はブリューヌとジスタートも中立を保った国だがいつジスタートと手を組んでもおかしくない状況だ。それに神の国と言えども創造神がいなければただの国だ。従わせるのではなく、滅ぼさせた方がいいと私は思うのだ」

「なるほど。確かにプトレマイオス神国は中立ですが、いつ牙を剥くかどうかは不明です。しかし王も大公も不在である国を一万の兵を送るのは大袈裟ではないのでしょうか?」

「国とはいえ用心した事に越した事はない、五万の兵を一撃したのなら兎も角今は創造神も不在だ。国民がいるだろうし、傭兵の国とも聞く。その傭兵を我が国に取り込めば、ガヌロンに一泡できる。あとはお前と兵で好きなようにせよ」

父親のセリフに、ザイアンは喜んだのだった。ザイアン自身を侮辱したヴォルンごと滅ぼせるかもしれないからだ。騎士は一万揃えるのに時間はかかるが、相手は中立国のプトレマイオス神国だ。武器も一通り揃えてから出撃せよと言われたあとに、国王の事を聞いたが相変わらず部屋から出てこない事と良い時に王子が死んでよかったと喜んでいた父の姿。一礼した後に、早速騎士一万を揃えるための準備をしていた時に声がかかった。

「ザイアン様」

黒いローブに身を包み、フードをかぶった小柄な老人が立っていた。

「何の用だ、ドレカヴァク」

ドレカヴァクと呼ばれた老人は、腰をかがめて深々と一礼をする。何でも一万の兵を揃えてプトレマイオス神国を滅ぼすために贈り物を用意したと言う。ザイアンはドレカヴァクは占い師として数年前からテナルディエ家に仕えているがザイアンにとっては嫌っていた存在である。その嫌われた存在からザイアンに贈り物があると言われたから付いて行く、館から出て厩舎の方向へと誘導する。厩舎を迂回して裏手に回ったところで止まった。

「これでございます」

ドレカヴァクが皺だらけの手を持ち上げ、ザイアンに恭しく頭を垂れる。そこには、十頭の竜がいた。地竜(スロー)が八頭に飛竜(ヴィーフル)火竜(ブラーニ)が一頭ずつ。いずれも
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