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ルドガーinD×D (改)
五話:冤罪って酷いよね?
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マトソースパスタ』だったしな。

でも、それでもここまでトマトを食べないとダメだったか俺は?
エルがトマトが嫌いって言っていた時は迷わずトマトを除外することも出来た。
エルが可愛くて大切だったと言うのも勿論あるがあの頃はそこまでトマトに
こだわりがなかった気がするな……こだわりを持ち始めたのはこっちに来たあたりからか?

ああ…そうか。俺は“あの時”からずっと―――『トマトソースパスタ、食べ損ねたな』
――兄さんを殺したことを後悔しているんだな――
だからこそ俺は―――

「繋がりを……手放したくないんだ」
「え?」

変な話、トマトが兄さんとの繋がりになっているような気がするんだ……はは。
俺がいつものように料理を作って家で待っててさ、兄さんが仕事から帰ってきて
一緒に食事をするんだ。毎日なんでもないような話をしながらさ……。

だからさ……毎日、トマト料理を作ってたらさ、その匂いにつられて
兄さんが帰ってくるんじゃないかって思ってるんだよな、俺は……。
でも……そんなことあり得ないよな、だって兄さんは俺が―――殺したんだから。

「ルドガー!!」
「っ!?どうしたんだ、黒歌?そんなに大きな声なんか出してさ」
「…………何だか辛そうな顔をしてたにゃ」

そうか、顔に出てたのか……ダメだな俺、周りの人を変な気分にさせないように
気をつけないとな、ジュードからも言われてたけど俺って顔に出やすいからな。
よし、そうと決まれば元気出さないとな!!!

「ごめん、ちょっと考え事してからさ、ほら、料理が冷める前に早く食べるぞ!!」
「…………分かったにゃ」
「さ、食べるぞ」

今はとにかく前を向いて生きないとな、まだこの世界で何をしようとか、
何のために生きようとかはないけど今はとにかく生きないとな………。
そうしないと―――壊した世界に顔向けが出来ないからな。





食べてみると案の定好評だった『トマトすき焼き』も食べ終わり
証の歌を歌いながら皿を洗う。
昔は何の気もなしに歌っていたけど今になって思うと結構、深い歌なんだよな…これ。
会いたいくて仕方がない相手への想いが込められた歌……
それ以外にもいろんな想いが込められるしな。
兄さんから俺へ、俺からエルへ……ずっと想いは受け継がれていっているんだな。

「ルードガー♪」
「っ!!?く、黒歌!!?」

突如、後ろから飛びつかれた衝撃で洗っていた皿を落としてしまう。
――ガチャリと不穏な音が聞こえてきたが何とか皿は無事だったようで安心だ。
それにしても何で黒歌は俺に飛びついて来たんだ?
いつもは後片付けぐらい手伝えと言っても猫だから出来ませんとばかりに猫の姿になって
ソファーの上で丸まっているからな。

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