第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
26.Jury:『Necromancer』U
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イアスロワー》に念動能力か。オーソドックスだが、面倒だな……。
「な、何ですか、この人達……何か、明らかにヤバイっぽいですけど」
「気にしなくていいよ、ほら、あれじゃね? 薬中かな?」
「これっぽっちも腑に落ちないご説明、ありがとうございます……」
不穏な空気を纏う学生らから壁際に涙子を庇い、立つ。何度も述べた通り、彼にとって優先すべきは『女』だ。幸いとでも言えばいいのだろうか、どうやら『死体は女にカウントされない』らしい。敵意を向けたところで、“誓約”は働かない。有り難い話だ、心置き無く潰せる。
不意に、背中に掛かる圧力。何の事はない、怯えた涙子が他に頼るものもなく、身を寄せただけ。ただ、それだけの事だ。他意などはない。
「心配無用、大丈夫。俺の理合は、科学程度にゃ破れない。否、もしも魔術が有っても、俺の理合の前には……たまさか得たチカラなんざァ、一から鍛え上げた俺の練武の前にゃア、風に吹かれる塵以下!」
「対馬さん……」
だからこそ、奮い立つ。長点上機学園はもともと不倶戴天の仇敵であり、更には背後に護るべき者。男として、武人として。これで奮い立たなければ不能野郎である。
悪辣に口角を吊り上げながら五体にルーンを、辺りの闇にショゴスを紛れ込ませて。戦意は十分、備えにも憂いなし。天魔色の髪を夜風に遊ばせ、闇に煌めく蜂蜜酒色の髪を嗜虐に歪めて。
「さぁ……て。そんじゃあ」
構える火炎放射と念動能力、その左右からの攻撃、全てを捉えて。
「モテる男は辛いねェ。来な……遊んでやるぜ、可愛娘ちゃん達!」
皮肉げに、或いは心底、生前に出逢えなかった事を悔やみながら。右手に偃月刀、左手に南部拳銃を構えて。その歩く死体達を、迎え撃つ─────!
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