第1部 ゼロの使い魔
最終章 フリッグの舞踏会
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ウルキオラは紅茶を入れ直した。
「お前、よく飲むな」
バルコニーの枠に立てかけられた抜き身のデルフリンガーが、驚いたように言った。
ゴーレム戦のときに、自分が使われなかったため、一時は拗ねていたが、ウルキオラの実力をまじかで見たこともあり、すぐに機嫌を取り直した。
「別にいいだろう」
さっきまで、綺麗なドレスに身を包んだキュルケがウルキオラのそばにいて、なんやかんやと話しかけてきたが、パーティーが始まると中に入って行った。
ホールの中では、キュルケがたくさんの男に囲まれ、笑っている。
キュルケはウルキオラに、後で一緒に踊りましょ、と言ったが、ウルキオラは断った。
黒いパーティードレスを着たタバサは、一生懸命にテーブルの上の料理と格闘している。
それぞれにパーティーを満喫している。
ホールの壮麗な扉が開き、ルイズが姿を現した。
門に控えた呼び出しの衛士が、ルイズの到着を告げた。
「ヴァリエール公爵が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢のおな〜〜り〜〜!」
ルイズは長い桃色がかった髪を、バレッタにまとめ、ホワイトのパーティードレスに身を包んでいた。
肘までの白い手袋が、ルイズの高貴さを嫌になるぐらい演出し、胸元の開いたドレスが作りの小さい顔を、宝石のように輝かせている。
主役が全員揃ったことを確認した楽士たちが、小さく、流れるように音楽を奏で始めた。
ルイズの周りには、その姿と美貌に驚いた男たちが群がり、盛んにダンスを申し込んでいた。
ホールでは、貴族たちが優雅にダンスを踊り始めた。
しかし、ルイズは誰の誘いも断ると、バルコニーにいるウルキオラに気づき、近寄る。
ルイズはウルキオラの前に立つと、顔を赤らしめ、手を差し伸べた。
「私と一曲踊ってくださいませんこと?ジェントルマン」
「断る」
ウルキオラはきっぱりといった。
「なんでよ!」
ルイズは小さく怒鳴った
「俺がダンスなど踊ると思うか?」
「う…確かに…」
「それに、沢山誘われていただろう」
「わ、私はあんたと踊りたいの!」
ルイズは真っ赤になりながら言った。
「世話の焼けるご主人様だ」
ウルキオラはふらふらとルイズの手をとった。
2人は並んで、ホールに向かった。
ウルキオラは無表情でステップを踏んでいる。
ルイズは俯きながら言った。
「ねえ、ウルキオラ…」
「なんだ?」
「帰りたい?」
「帰ろうが帰るまいがどちらでも構わん」
「ほんと?」
「ああ」
ルイズはちょっと顔を赤らめ言った。
「今日はありがとう」
「礼を
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