第1部 ゼロの使い魔
最終章 フリッグの舞踏会
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はウルキオラを見つめながら言った。
「……オールド・オスマン。ウルキオラには何もないんですか?」
「残念ながら、彼は貴族ではない」
ウルキオラは言った。
「別にいらん」
オスマンは、ぽんぽんと手を打った。
「さてと、今日の夜は『フリッグの舞踏会』じゃ。このとおり、『破壊の剣』も戻ってきたし、予定通り執り行う」
キュルケの顔がぱっと輝いた。
「そうでしたわ!フーケの騒ぎで忘れておりました!」
「今日の舞踏会の主役は君たちじゃ。用意をしてきたまえ。せいぜい、着飾るのじゃぞ」
3人は、礼をするとドアに向かった。
ルイズは、ウルキオラをちらっと見つめた。
「先に行ってろ」
ウルキオラは言った。
ルイズは心配そうに見つめていたが、頷いて部屋を出て行った。
オスマンはウルキオラに向き直った。
「なにか、私に聞きたいことがおありのようじゃな」
「ああ」
「言ってみたまえ。できるだけ力になろう。君に爵位を授けることはできんが、せめてものお礼じゃ」
それからオスマンは、コルベールに退室を促した。
わくわくしながらウルキオラの話を待っていたコルベールは、しぶしぶ部屋を出て行った。
コルベールが出て行ったあと、ウルキオラは口を開いた。
「あの『破壊の剣』は、俺の世界の剣だ」
オスマンの目が光った。
「本当かね?」
「ああ」
オスマンは目を細めた。
「あれをどこで見つけた?」
オスマンはため息を着いた。
「あれを持っていたのは、私の命の恩人じゃ」
「そいつは今どこにいる?」
ウルキオラは思った。
もし、奴がこの世界にいるのなら、あの時感じた不思議な感情…心について聞きたい。
そうすれば、心の意味がわかるかもしれないと。
しかし、オスマンの言葉は予想のはるか上だった。
「それが、忽然とわしの前から消えてしまったのじゃ…30年前の話じゃ」
「なんだと?」
「30年前、森を散策していた私は、ワイバーンに襲われた。そこを救ってくれたのが、あの『破壊の剣』の持ち主じゃ。彼は、『破壊の剣』でワイバーンを吹き飛ばすと、ばったりと倒れおった。凄まじい怪我を負っていた。私は彼を学院に運び、手厚く看護した。しかし、気づいた時には…」
「消えていたのか?」
オスマン氏は頷いた。
「誰がこの世界に奴を呼んだ?」
「わからん…。どんな方法でこっちの世界にやってきたのか、最後までわからんかった」
「そうか…」
ウルキオラは嘆いた。
オスマンは、次にウルキオラの左手を見た。
「お主のこのルーン……」
「ああ、これも聞きたかった。この文字が光
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