暁 〜小説投稿サイト〜
旧エクリプス(銀河英雄伝説編)
第06話 捕虜交換
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「まっ、待って下さい。社会秩序維持局はルドルフ大帝が作られた組織に御座います。それに捕虜交換は、如何ほどを考えているのですか?」

国務尚書は暗に反対する。

「捕虜交換からだが、全部じゃ。」

「全部ですと?」

「帝国と叛徒の抱えている捕虜全部じゃ。これは農奴も含めている。」

「農奴もですか?貴族達が反対しますぞ。」

「エクリプス・エレクトリック社がアンドロイドを発売したのを知っておろう。」

「貴族が(こぞ)って、購入しております。アンドロイドを何体持っているかが、貴族のステータスになっております。」

「それじゃ、貴族の所有している農奴を、一人につき一体と交換すると申せばどうじゃ。反対すまい。」

「確かに、それでは反対どころか賛成するに違いありませんが、予算が足りません。」

「良い、その資金は儂が出そう。その代わり交換した農奴を、ローエングラムに集める。そこで選別をする。
今帝国は、過去最大の改革を行っている。効率が悪いシステムは、見直す時なのだ。叛乱軍の捕虜となっている者達だが、何故亡命をしないのか考えたことはあるか?帝国に戻りたいからだ。家族がいる者や恋人がいる者、帝国に未練があるから亡命しないのだ。
改革をしたから分かるが、農奴と臣民の効率が全然違うのだ。これから先、不満分子を帝国に置いておく事は、帝国改革の荷物にしかならぬ。それに社会秩序維持局は、平民を弾圧してきた歴史がある。これから先、犯罪の摘発は貴族も平民も同じようにしなければならない。
其方(そち)の立場なら分かるだろう。帝国の衰退状況が、しかし改革を始めて、この2年で大分変わったとは思わないか。
帝国改革室のブレーン達に合ったか?皆して改革の草案をまとめ、今ではローエングラムの税収を8倍までにしておる。
臨時法案出す。帝国改革局を帝国宰相の直下に置く。其方に改革任せる。但し、期限は予が退位するまでだ。その後の判断は、帝国宰相に任せる事とする。」

国務尚書は、陛下が本気で改革をしようと理解した。

「はっはぁ。賜りました。」

国務尚書は頭を垂れた。

Sideout


帝国暦460年12月18日 オーディン 新無憂宮(ノイエサンスーシ) 謁見の間控え室

Side リヒャルト・フォン・グリンメルスハウゼン子爵

控え室には光輝とグリンメルスハウゼン子爵が待っていた。
そこへフリードリヒが戻って来る。

「陛下、帝国改革が現実味を帯びて来ましたね。」

光輝は暗に皇帝を褒め称えた。

「闇の左手の人員を帝国捜査局(EBI)に多数配置します。」

グリンメルスハウゼン子爵が答える。

「いやいや、全部、光輝の筋書き通りにいった。しかしバイオロイドも作っておったとは
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ